ソウルイーター
□儚き夢
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「さすがは、エヴァンス家のご子息!!」
「素晴らしい演奏だわ!!」
「やっぱり違うなぁ、エヴァンス家は!!」
………嬉しくない。
俺が求めているものは、そんな作りモノの言葉なんかじゃない……。
この中の一人……いや数人…?
……違う…全員だろう……
気づいているんだ……
俺のピアノは上手くない……
兄貴のヴァイオリンとは
違うんだって……
「だからお前は逃げたんだろう……俺から」
「違う!!俺は……俺は……」
音楽……エヴァンス家……兄貴から逃げた……
いや、ピアノから逃げたのか?
違う……
己の弱さを認めたくなかったから……
己の弱さを認めたくないから
……俺はあそこから逃げたんだ。
天才……奇才……
そんなもの、
俺には一つとして無いんだ。
もし仮にあったとして……
俺にはどうすることも出来ない。
「だからお前は武器と言う能力を理由にして、更に音楽を深く知らない……マカ・アルバーンとパートナーを組んだんだ」
「違うっ!!!」
マカは……
「マカはそんなんじゃない!!!」
俺は……
「俺は自分の意志で……マカとパートナーを組んだんだ……」
そうだ……。
じゃなければ…………
じゃなければ?