TUBASAdream
□No.3 阪神共和国
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お前さえ、お前さえいなければ…
母さんを、返してよ!!
あんたなんか、生まれてこなければ良かったんだ!!
お前なんかをかばって、あいつは…
『ごめんなさい、ごめんなさい。』
あなたのせいで、私は…
あなたのせいで、僕は…
『っごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい。』
頭を抱えて、私はしゃがみこむ。
分かってる。謝ったくらいじゃ許してもらえないって。
それでも、私は謝り続ける。
『ごめん、なさい…』
「ぷう、みたいな。」
目覚めたとき、最初に目に写ったのは全面の白。
『へ!?な、何?』
訳が分からなくて、急いで飛び起きた。
上体を起こし、周りを見てみると和室のような部屋にいた。
「ツッこんでくれたの〜!!」
白い物体もといモコナは、サヤの隣で飛び跳ねてて、ツッこんでもらえたことに喜んでいた。
「起きた〜?」
いまいち状況が掴めなくて戸惑っていると、侑子さんの所で会った白い人が声を掛けてきた。
「一応拭いたんだけど。」
そう言って、目の前の彼はタオルを渡してくれた。
店にいるときに雨で濡れた髪は、まだ少し湿っている。
『…ありがとうございます。』
そう言って少しだけ微笑み、タオルを受け取った。
すると彼も、へにゃんと笑って返してくれた。
「ぷう、みたいな。」
反対隣から先程と同じ台詞が聞こえて、振り返った。