sugar sweets

□すこしはなれてみました。
1ページ/4ページ




「なまえ、もう大丈夫なの?」



晋助にすばらしい看病をしてもらい

昨日は指一本動かすことすら億劫で

そう言ったら笑みをこぼす晋助にお風呂に入れられ

身体を洗う、という名目で愛撫が始まり最後には湯船の中で抱かれた。



「…まあまあかな」



晋助のことは好き。あいしてる。

でも、今日はさすがに離れたかった。



「調理実習って、いいよね」

「そうね、うるさい男共もいないし」

「ほんと嬉しい…でね、妙ちゃん」



あたしはさっきから妙ちゃんが作ったクッキー(たぶん)を眺めている



「それ、なに?」

「クッキーに決まってるじゃない」



あたしの目は視力2,5なんだけど

クッキーってぶよぶよした炭みたいなものだったっけ

黒い煙、でてるんだっけ



「…誰かにあげるの?」

「そうねえ、いつも世話してあげてる男共にあげるわ」



明日から3Zは女の園になるかもしれない。



「なまえはあの中二病にあげるアルか?」

「うん、でもお世話になってるから沖田くんとか土方くんとかにもあげるの」

「なまえはホントやさしいアル。
アイツには勿体ないネ。」

「そんなことないよー。
あ、これ妙ちゃんと神楽ちゃんの分」

「うっひょー!!なまえのおいしそうアル!!」

「ありがとね、なまえちゃん。
お返しに…」



神楽ちゃんは酢昆布をくれた。

そして妙ちゃんは、さっきのクッキーをくれそうになって、急いでとめた。



「いっいいよ!!それ近藤くんにあげてっ」

「え、あのゴリラなんか気にしなくていいのに」

「ううん!!ほんっとにいいから!!」



ブンブン首を振るあたしを不思議に思ったみたいだったけど

妙ちゃんはしまってくれた。






そんなとき、




『ねえ、高杉くんに渡しに行かないっ!?』

『行く行くっ!!こんなことないと近づけないし…』

『あたし一緒に告白しちゃおうかな』

『高杉くんほんとかっこいいよね!!
胃袋つかんじゃえっみたいな』



同じ調理室でクッキーを作っていた女の子たちだった。

たしか、調理部の子

手元を見ると、可愛くラッピングされ、

店で売っているようなクッキー。



自分の手元を見て悲しくなる。

もはやラッピングとも言えない代物だし

クッキーも一応クッキーだとわかるけど

食べれるけど

比べものにならないくらい不格好。



胃袋つかんじゃえ、というその子たちの声が頭から離れなかった。






次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ