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□jealousy
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―些細な事だった…―
アイツの考えてることがよく解らん時がある…。

俺が何かしたか??……―


ついこの間、飛影と躯はいつも通り手合わせをしていた。

日に日に腕を上げる飛影にそれに反比例するように落ちる躯。

少し前までは立場が逆だった。
あの日…以来…。
そう…あの時から。

躯があれほど強くなったのは過去の呪縛による[憎しみ]からなのだ。

そして、その強さの糧であった[憎しみ]も彼…飛影の手によって解放されたのだ…。

―[彼女の父]―…

彼女…躯の憎悪の根源…。

[それ]がなくなった今、躯は明らかに精神的に日に日に穏やかになってきていた。

一方、力はそれより伸びることは無かった。むしろ、逆に前より低下してきていたのは事実だった。


―そして闘技場にて手合わせをしていた、その時だった。


―ドンっ…!!!!!―

地響きが鳴る位の衝撃と鈍い何かが折れる音が微かにした。

飛影が躯の防御に隙を見付け攻撃したその時だった。

「―!!!!!!躯!!!!」
飛影は、ハッとして直ぐ様躯の近くへ急いだ。

…間違いない…。躯の肋骨が二、三本折れたのであろう…。

躯は苦笑いしながら青ざめた顔で脇腹を抑えた。

「フフフ……やりやがったな…。」

「今すぐ、時雨のところに連れていく…。」

そう言って、飛影は躯を抱き抱えて振動などでなるべく痛みを躯に与えないように静かに、そして素早く時雨の元へ向かった。



「やはり…躯様は肋骨を二、三本折られておる…。」

「すぐ治るんだろうな??」

「ウム…外傷だけならまだしも、内傷かつ骨折となれば少しは時間がかかる。
しかしながら躯様の妖力値で見るならばおそらく、長くはかからんだろうが…。」

「治るんならそれでいい。」


痛みに耐えつつもニコリと笑みながら躯は答えた。

「…では、御無礼でしょうが躯様、少々様態を確認する事をお許し下さい。」

無言で躯は顎で返事をした。

時雨に医務室から出るように言われた飛影は、全く聞いて無かったように躯の側から離れなかった。

時雨が躯の様態を検査し始めた。


―しばらくして…―
「ウム…コレで安静にして頂ければ徐じょに治り頂けます。では…拙者はパトロールの勤務交代でござります故これで失礼いたします…」
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