NOVEL
□difference of love
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始めは違ってた…。
しかし、アイツといる時間が重なるにつれ…アイツ自身を知ったその刻より、アイツに対する意識が日に日に強まっていくのが解った。
強くなればなるほどアイツが遠のいていってしまうのではないかという不安にかられる一方…
いつの間にか俺はアイツにすっかり心を奪われてしまっていた。
そして気付いたら… アイツと離れるのが無償に息苦しいと感じるようになり…
アイツを自分のだけのものにしたいと思う気持ちが己の内に秘める様になった。
それは…俺の人生すら変えられてしまうのではないかと思う程の力だと感じた。
冷静になろうと思っても、心がそれを許してくれない。
期待した通りになれば嬉しいと感じ、上手くいかない場合は無駄に苦しむ。
だからこそ…この気持ちは思い通りにならない程辛く苦しい思いをするのだと。
…初めはそれを…
[愛]だと思っていた…。
…だが、それは違った…。
それは…[恋(熱情)]なのだと。
[愛]というものに対し、俺に足りなかったもの…
[愛]とは己の欲を捨て、ただただ相手を愛することなのだと。
心からアイツの幸せを己の事(欲望)よりも優先して考えられる心があるかということ。
愛そのものには欲望は無い。
ならば、己から欲を捨てて歩み寄ろう。
ひたすらお前に愛を注いでいこうではないか。
…今思えば少し前までの俺は
もっと素直に着飾らない、ありのままの自分をアイツにさらけ出せたら…
もっと男らしくなれたら…
などと、毎日のようにそんなことばかり考えていた。
アイツを失うのを恐れていたからだ。
しかし…なるほど。
ますます自分を装っている結果になるのだと。
[嫌われたくなくてアイツに合わせて振る舞う]…
…そんなものは愛とは思わん…。
[愛(慈しみ)]と[恋(熱情)]の違い…
この二つの違いに気付いたらならば…
俺はこれから先もお前に[愛]に注ぎ、[愛]に悩むだろう。
お前とこれからも共にある為に必要な事なのだからな…。
その笑顔が…
お前が幸せなのだという証なのだから