愛盾夢

□私とあなたが出会った日
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私とあなたが出会った日。







初めはね、不思議な人。

そんな風に思ってた。


わたしがあなたに会ったのは泥門高校の受験日で

初めて会ったときから受験会場をアメフトで埋め尽くすという

前代未聞の行為をやってのけたあなたを見て

一緒にいたまもりは

「みんなの事不安にさせて・・・ああいう勝手な人って許せない。

もし受かったら絶対風紀委員に入ろ!」

なんて意気込んでいたけど、それを聞いた私は、笑いながらも

内心、明るい受験会場で安心するわ

なんて思ってて。



思えばあなたのことを好きになったのはその時かもしれない。



入学して、奇跡的にもあなたと一緒のクラスになって

アメフト部のマネージャーになって

それから

あなた、栗田くん、ムサシ以外の人は誰もアメフト部入部者がいなかったり

ムサシのお父さんのことでごたごたしたり

王城に99点差で負けてしまったり


つらいこともたくさんあったけど


セナくんが入ったことをきっかけに、アメフト部が一気に変わって

まもりもマネージャーになったり

モン太くんや、十文字くん、戸叶くん、黒木くん、小結くん、雪光くん、瀧くんなんかも入ってきて

鈴音ちゃんはチアリーダーになってくれて

デビルバッツのチアも出来た。

奇跡が起きたわけじゃない。だけど

ムサシも戻ってきた。

秋季大会で泥門デビルバッツは最後まで勝ち進んで

今は関東大会で勝ち上がっている。


つらいこともたくさんあったけど、その分素敵なこともたくさんあった。


その中で、気付けば私達は当たり前のように恋人という関係になっていて

雨で練習が出来ないときはあなたの家に行ったり

あなたが私の家に来たりして

二人で笑いあった。

あなたの作る料理はおいしすぎて、たまに嫉妬もしてみたり。


輝く太陽の下で、あなたにスポーツドリンクを渡して

笑ってくれるあなたの汗を拭いたり

互いの体温を求めて抱き合って、キスをした夜もあった。

目覚めた朝の目の前にあなたがいて、ワックスの取れたあなたの髪を

ばれないようにこっそり梳いてみたりもした。

するとあなたは、ぱっと目を開いて

「何やってんだよ」

そう言って私を引き寄せて、私はあなたの腕に閉じ込められたりもした。


見かけよりもずっとしっかりしたあなたの腕に、何度も心臓が高鳴った。




そしていつも、どんなときでも

あなたのことがとてもとても愛しかった。





私とあなたが出会った日。私はあなたに恋をした。


それはそれは素敵な恋を。



そしてその恋は今も、これからも、ずっとずっと続いていく。

妖一、あなたのこと大好きよ。




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