愛盾夢
□あの音にわたしは夢を見る
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毛布にくるまっている蛭魔は
本当に眠そうな顔もしていて、それが尚おかしかった。
「・・・よし、じゃあ・・・」
「あ?ってちょっ、てめ何してやがる!?」
「蛭魔と同じ毛布に侵入?」
「狭いから出ろ」
「だって私も寒いのよ」
「ヒーターとかあるだろ?」
「いいじゃない。足が冷えちゃった」
いつだって私の我が儘を
片眉だけ上げて
笑って受け止めてくれる蛭魔は
今日も
「しょうがねぇな」
といって、笑って私を毛布に入れてくれた。
「蛭魔、蛭魔。耳貸して」
二人っきりの毛布の中で
そっとそっと打ち明けたこと
「 」
そうしたら
とても優しいキスが降ってきた。
新居昭乃「小鳥の巣」