愛盾夢
□あの音にわたしは夢を見る
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「ねぇ妖一」
「あ?」
カタカタという無機質な音だけの空間を破ったのはわたし。
ほんの些細な質問。
愚問と言っても良いかもしれない。
でも一度気になったら不安を拭い去る方が無理な話。
だから聞こうと思ったこと。
「私じゃ妖一に釣り合ってないから、私はあなたと付き合うのがとても怖いわ」
「あぁ!?何言ってんだ?んなくだらねぇこと言ってる暇があるなら、ビデオ編集の一つでもしやがれ」
「くだらっ・・・!?そりゃ妖一にとってはくだらないかもね。聞いて損した」
はぁ・・・と溜め息をつくと、妖一は私を呼んだ。
「なによ?」
半分ふて腐れたような顔の私に、妖一は少し笑ってからこう言った。
「一回しか言わねぇからよく聞けよ」
「だから何?」
「てめぇほど良い女、他にいねぇんだから。んなことで悩んでんじゃねぇよ」
突然そんな言葉は反則だわ。
でもそれじゃあ、少しは自惚れて良い?
Pizzicato Five「きみみたいにきれいな女の子」