エクスカイザー

□計算
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 アーマーガイストは部屋の隅に小さな紙クズが落ちているのを見つけた。
「なんだこりゃ?」
 爪で器用につまみ上げ、見る。

『マリコさんが一個100円のリンゴを六つ買い、1000円出しました。お釣りはいくらでしょう?』

「あっ、ソレ! まだ残ってやがったのか!」
 紙を覗き込んだホーンガイストが叫ぶ。
 いつぞやの夏の宝を盗んだ時に入っていた『宿題』の一枚だ。
「一個100円のリンゴを六つ……1000円出した……」
「人間って分からねぇな! こいつのドコが宝なんだぁ?」
 考え始めたアーマーの横で、解けなかったのを思い出し、ホーンはイラ立たしげにぼやく。
 ――『宿題』が宝と思っている子供など、いないに等しいだろう。
「はっ。てめぇにゃ、そのレベルがお似合いだな!」
 プテラガイストがお決まりにホーンを嘲笑えば、当然ホーンも怒り出す。
「なんだと!? じゃぁ、てめぇは分かんのかよ!」
「当たり前だ!てめぇの頭と一緒にすんな!」
「なー、リンゴってなんだー?」
「てめぇ、少し頭いいからって図に乗りやがって!」
「頭いいって認めるんだな?」
 サンダーガイストの疑問なぞ完全に無視してプテラとホーンは口論を繰り広げる。
「少しだ少し!! だが最後にモノを言うのは結果だ! 頭が良くてもお宝を盗み出せねぇんじゃ、しょうがねぇよなぁ?」
「てめぇこそ失敗してばっかりじゃねぇか!」
「なんだと!? 俺様をてめぇと一緒にするんじゃねぇぞ!!」
「俺だっててめぇと一緒にされるなんざゴメンだ!」
 白熱するプテラとホーンのバトル。その側でサンダーはリンゴとは何か? と繰り返す。アーマーは完全に問題に夢中だ。
 そこへコウモリが現れた。
「うるさーい!! くだらないケンカをしているヒマがあるなら、宝を探すかエクスカイザー達を倒す手段でも考えろ!! ……と、ダイノガイスト様がおっしゃっておられる」
 毎度のことながら本当にダイノガイストの言葉なのかコウモリの私情なのかは不明だが、もっとものことなので二人はケンカを中断させた。代わりにホーンが、
「てめぇはこれ解けんのかよ」
 と言ってプリントをコウモリに見せる。
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