トランスフォーマー

□懲りずに君の名は
1ページ/3ページ

「略すで思い出したんだけどよ」
「今度はなんだよ」
 スカイワープの発言にスタースクリームは露骨に顔をしかめる。
「パーソナルコンピューターがPCなら、スタースクリームはSSになるワケだ」
「……そうだな」
「SSかー。SSって言うと、なんだ?」
 サンダークラッカーがスカイワープに尋ねる。
「ショートストーリーじゃね?」
 答えるスカイワープ。
「っつーか、スタースクリームの略なんだろうが!?」
「スモールショートとかは?」
 スタースクリームのツッコミは無視してサンダークラッカーが言う。
「あー、“らしい”な」
「あはははー」
「また蹴られてーか!?」



「じゃぁさ。レーザーウェーブとサウンドウェーブはそれぞれLWとSWになるよな」
 とサンダークラッカー。
「なんかLWってロサンゼルス(LA)みてぇだな」
 そう言ってスカイワープが笑う。
「Lしか合ってねぇよ」
「ってことは、ロサンウェルズ?」
 やはりスタースクリームのツッコミは無視するサンダークラッカー。
「じゃぁレーザーウェーブが街造ったらその名前にしようぜ」
 名案だとばかりにスカイワープが言い、サンダークラッカーはうなずいた。
「賛成」
「……」
 ここに意味不明な可決がなされた。スタースクリームは呆れ果ててツッこむのをやめた。
 っつーか、それを言うならロスワンゼルスじゃねぇのか……



「お、ちょっと待てよ。サウンドウェーブがSWってことは、俺と同じじゃねぇか」
 スカイワープ=SW。
「マジで。やっべ、俺サウンドウェーブだよ」
「スゲーな、お前サウンドウェーブか」
「なんでだよ。意味分かんねぇよ」
 何故か盛り上がる二人にスタースクリームがとりあえずツッこんでおく。案の定無視された。
「じゃぁお前等カセットロンな」
「なら俺コンドル!」
 すかさず主張したのは、驚くことにスタースクリームである。
「俺ほどではないが、ヤツは優秀だからな。俺が特別配役されてやる」
 ここで変なニューリーダー病が発症したようだ。
「じゃぁ、俺はジャガーか」
 とサンダークラッカー。
「いやいやいや、そこはパズソーだろ! 存在感薄いのも似てるしな」
 直後、スタースクリームの後頭部にミサイルが炸裂した。
「うぉッ!」
 スタースクリームは前のめりに倒れかけたがなんとか踏ん張り、何事かと背後を振り返る。
「……」
 サウンドウェーブの肩からパズソーが目を光らせて睨んでいた。ついでにサウンドウェーブも赤いバイザーの下で赤い目を光らせている。そりゃもう、ビカーッ!と。
「ひッ」
 途端に怖気が走り、ジェットロンは身を寄せ合って一人と一羽からすごすごと離れた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ