捧げ物etc...

□籠の小鳥
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僕がいるから彼女は

外に出たがらないのだろうか。

人と関わる必要が

ないと思っているのだろうか。




彼女の考えもあながち

間違いではないのだけど...。




僕は多くの人と関わって

その中から虹色を選んだけど、

虹色はそうじゃない。


だから僕をパートナーだと

錯覚しているだけなのかもしれない。




彼女は外へ出るべきだ。






...たとえその結果

僕から離れていこうとも。













ねぇだから、





「虹色、僕たち
距離を置かないかい?」






『ぇ...?!』



君の泣きそうな顔を見て、

すごく罪悪感を感じたけど、

...君のため、だから。


ごめんね。



『いやだっ!いや、いやっ!』


「虹色......」


『周助がいなくなったら...
私...どうしたらいいか...っ...。』


「虹色。」


『やだよ...周助っ...
私のこと嫌いに...なった、の?』


「...虹色、あのね。
僕は君が好きだよ。
それは全く変わっていない。」


『じゃあ...なんでっ...』


「君の世界を広げるため。」


『...っ?』


「僕はそれの邪魔になっているんだ。
君はね、外のことを知らなさすぎるよ。」


『そんなの...だって
私には周助がいれば...』


「...うん、
嬉しいことなんだけどね。
それじゃダメなんだよ。
...君は一生支え合っていける
パートナーの話をしていただろう?」


『...うん。』


「そのパートナーっていうのは、
一人じゃないといけない
ってことはないと僕は思うんだ。」


『ぇ?』


「一生支え合っていける友達を
僕は君に沢山見つけてほしい。」


『......友達。』


「そうだよ。」



少しの沈黙のあと

虹色が口を開いた。


『あの...周助にはいる、の...?
一生支え合っていける友達が。』


その時、僕のあたまには

たくさんの仲間の顔がでてきた。

手塚、英二、乾、タカさん...。

その他にも大勢。


「...いるよ、たくさんいる。」


『...そぅ。』



君にもその質問をした時に

たくさんの仲間の顔が

思い浮かぶようになってほしい。


「僕がいるとね、
君はきっと変わらないままだよ。」


『.........。』


「それに君は僕のことを
パートナーと言ってくれたけど、
本当は違うかもしれないよ?」


『?!』


「僕よりもっといい人に
出逢うかもしれないだろう?」


『そんなことっ...絶対ないっ!』


「それは僕としか
出逢ってないから
そう思っているだけだ。」


『違うもんっ...!
私...ちゃんと周助のこと好きだよ?!
本当だもんッ...本当...』


「ぅん...それは分かってるんだけど...
今はそうでも変わるかも
しれない...ってことなんだよ。」


『...でも、』


「...ちょっと話がズレちゃったけど、
僕が言いたいのはね、何度も言うけど
君がもっと外に出て、もっと人と触れて
ほしいということなんだよ。」


『......』


「今までは病院の中にいたから
仕方がないといえば仕方がないけど、
これならは違う。外に出られるんだから。
自分からその機会を無駄にしないで。」


伝わったかな...?

分かってほしいな、僕の気持ち。


本当は僕だって君と一緒にいたい。


でも、それじゃあ...ダメだから。













『...分かった。』





「本当に?」


『分かったけど...
それをするには...どうし...ても
周助と離れなきゃ、いけな...いの?』


「...そうだね。」


『...分かった。でも、
私の気持ちは絶対変わらないからね?
これから、何があっても。』



「...うん、僕もだよ。」



『だから、待っていて。
周助の言うように、
沢山の友達ができたら、私、必ず
周助のところへ戻ってくるから。』



「...ぅん。」






それでもやっぱり僕が帰るときには

大泣きしてしまった君を見て

ちょっと、後悔した。


このままでも、それはそれで

よかったんじゃないかなって。


誰とも関わらず僕とずっといたら、

泣くことも、傷付くことも

絶対にないのだから。



でも、やっぱりそれは幸せではないよね。











君と別れたあとも

何度も何度も悩みました。



でも君が学校へ行くことになってから

そんな悩み全部吹っ飛んだよ。



君がすぐに色んなこと仲良くなったから。

すぐにクラスに打ち解けたから。






手放して...よかった、かな。







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