拍手ありがとうございます!
以前アンケートを実施したところ、徳川がいいとの意見が多数あったので実現させました。
投票してくださった方、ありがとうございました。
そして徳川以外に投票してくださった方、誠に申し訳ありません。
では、お題は『徳川甘夢』です。どうぞ。
「好きです。…あなたが好きだ」
――ここで聞き返せば、きっと彼に失礼だ。
思い詰めたように綺麗な顔を歪ませる徳川を見つめれば、プイと向こうを向かれた。
あ、ちょっと可愛い。
「ど、どうして…」
「理由がなければ、好きになってはいけないんですか?」
「………」
それもそうだ。
別にそんなルールはない。
でも現実を受け止められないまま、私は俯いた。
だって急にそんなこと言われたって。
「俺は今まで、この思いを封じてきました。でももう、我慢はしない」
徳川は2,3歩進んで、私の背中に手をまわした。
目の前には徳川の厚い胸板。
私の頭は、彼の胸と密着していた。
どくんっ…どくんっ…
徳川の鼓動はゆっくりと一定のリズムで繰り返されていた。
「返事を・・・聞かせてください」
「っえ?」
「・・・。俺はあなたが好きなんだ」
そしてまた、同じ台詞が繰り返される。
徳川は私の肩に手を置いて少し距離をとった。
顔に集まった熱が、少しずつ体中へ分散していく。
真顔のまま何十秒も見つめ合うなんて、面白い光景だと思う。
でもその綺麗な瞳から目が離せなかった。
「返事は言葉じゃないと伝わらない?」
「・・・はい?」
つま先立ちをして、不安定なバランスのまま彼のそれに自分の唇を押し当てた。
乱暴なくらいがちょうどいいじゃない。
「っ!?」
「お、レア」
照れた徳川の顔なんてレアすぎてなかなか見れない。
彼を照れさせたことと、自分のモノにしたことで得た優越感。
私は頬が緩むのを抑えられなかった。
我慢と優越感
(キミは私のもの、私はキミのもの)