笑って、嗤って、翻す

□Never Give Up
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いつも通り選手達にロードワークの指示を出して洗濯物を洗濯機に入れるために洗濯所へ向かっているとき。

2番コートから、歓声が聞こえてきた。

それと同時に驚愕の声も、悲鳴も。

あれか。もう来たのか。だって私知らされたの、一昨日だぞ。早いよ。



「黒ジャージ、帰ってきてしまった組」

「・・・なんだそりゃ」



走って息を切らしながらコートに着いたものの、右端が意味不明なことを言ってたからつっこんだ。

ナイスなつっこみじゃなかった?

えへ。なんちて。



「中山っ!?」

「はーい中山です」



どうも。と会釈をすれば、中学生側からは「あの人っ・・・」という声がした。



「あーっ!中山さんじゃないっすかあ!?」

「え?あ・・・うん、そうだよ桃城くん」

「いっやーあ、あんときはどうもッス!!」



あんとき・・・?記憶を巻き戻して巻き戻して・・・あ、鬼のときか。

べつに大したことはしてないんだけどなあ、と思いながらも、微笑みながらいいえと返した。



「って、そんな桃先輩の恋バナとかどーでもいいッスけど」

「ここ恋バナああ!?ばっ、違ぇよ越前!」

「・・・ところで、俺達は2番コートに試合を申し込みにきたんだ」



越前くんと桃城くんの小コントを無視して真田くんが話を続けた。

って、恋でもなんでもないよね?越前くん・・・。



「お前たちが何人かかってこようが、俺達2番コートに勝てるわけがあるまい!」

「1ゲームでもおとしたらこちらの負けとしよう」



2番コートの輩はみんな余裕発言を連発している。

・・・だけどね。年齢とか関係ないんだよ?

“あの崖”で特訓したら、どれくらいの実力がつくのか知らないでしょ、君ら。

まあ今のうちだけだよね。そんな高飛車な発言ができるのは。

それまで、せいぜい・・・・・・―――。






Never Give Up

(もう君らの実力差はほぼない、もしかしたらもう・・・)

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