笑って、嗤って、翻す

□第三印象は?
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―side T.Momoshiro―



鬼先輩にブラックジャックナイフっつーやつをお見舞いされて、俺は完敗した。

腕がピリピリ痛ぇーって思ってるころ、あの人は来たんだ。




「こんにちは」




中山智さん。

第一印象は、笑顔だなー、だった。

いつもニコニコしてる。

案内んとき、跡部さんにあんな態度をとられてもニコニコしてた。

なんかすげえ。てか怖え。

あー、でも胸倉掴んだのはビクッたなー。


あんなちっこくて細いのに、すげー。

俺も結構後先見ずな性格だけど、この人もじゃね?なんて。

亜久津さんにも注意してたしなー。


第二印象は、なんかすげえ人だった。




「ども」

「桃城くん、だよね?」

「そーっす」




わざとじゃねえけど、いつもよりテンション低めに返しちまった。

女の子見ると俺、ちょっとテンション上がんのにな。




「すごいね」

「え・・・なにがッスか?」




急になんだァ?


俺は上半身だけ起き上がれたものの、いまだコートに座り込んでる。

なんか超、かっこ悪い。


そんな俺の顔をまじまじと見てくるもんだから驚いた。

でも次の言葉に、もーっと驚いた!




「全然、格好悪いと思わないよ。
むしろ格好よかった」

「っえ・・・・・・?あの、え?」

「ゴメン、ゴメン」




おちゃらけて謝ってくる先輩だけど、・・・え?

今「格好よかった」って言った?

自分でも顔に熱が集まるのが分かる。

は?やめろよ、なんでこんなんで顔熱くなんだよ!

嬉しいけど、まさか自身が照れるとは思ってなかった。




「手当ては終わりだよ。じゃあ、またね」




中山先輩はなにもなかったように手当てを終え、コートを去った。


あとで英二先輩が「何話してたの?」って聞いてきたけど、上手く説明できなかった。







第三印象は?

(かーっ!なんなんだ俺は!?)

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