笑って、嗤って、翻す
□思わず苦笑い
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「随分とスカスカしたラケットっすね?」
おはようございます。
11月某日、とうとう中学生vs鬼の入れ替え戦が始まったのです。
鬼が負けるようなことはないと思うけど、一応「がんばって」と言っておいた。
救急箱用意しとけよ、と言ったのはアレをお見舞いする気だろう。
手ぇピリピリするらしいんだよね、鬼の必殺技。
「青春学園2年桃城武。この『入れ替え戦』に勝ったら俺、5番コートっすね」
「無い」
ありゃりゃ・・・、と呟けばそのモモシロくんとかぶった。
鬼らしー。一喝しちゃったよ。
桃城くんは「やってやるぜ!」って顔してるけど、分かってないなあ。
“鬼十次郎”を。
この合宿所には16番コートまである。
ちなみに数が若い方から強いのである。
5番といえば(そりゃめっちゃ強いけど)あまり上位、という感じではない。
特に鬼がつるんでいるのは1番コートと3番コートの奴らだから一層。
・・・・・・だけど。
「・・・鬼は、強いよ」
風に声を重ねて呟けば、届いたのか鬼と目があった。
手をふったけど、「ふん」と拗ねたように目をそらされた。
思わず苦笑い
(照れ隠しのつもり?)