笑って、嗤って、翻す

□悲しかな
1ページ/1ページ

「いや遠慮しますって」

「しないでくださいよ〜」

「します、すみません」

「いや〜手厳しい」




今、誰とどんな会話をしているかと言いますとね。

予想つくかな、この語尾をのばす喋り方。

アラフォー精神コーチ、斎藤さんですよ。

あ、ひとこと余計?すみません。


会話内容は中学生の合宿所案内について。するかどうか。

どうです?します?ってしませんよ、そんなこと。




「どうしてですか?中学生と「親睦を深めるつもりはありません」

「…それはどうして?」

「私はここに、仕事をしに来たんです。遊びに来たんじゃない」




そう言うと斎藤さんは「おや…」と、鳩が豆鉄砲をくらったような顔をした。

いつもそんなような顔、してる気がするけど。




「これは…さすがですねえ、うちのマネージャーは」

「ありがとうございます」

「はは・・・でも、これは“指示”なので、断られてもね〜」

「え、」

「お願いしますよ」




白衣を翻してすでに歩き出している、ということは本当に拒否権はないんだろう。


はあ・・・・・・あんまり干渉したくないんだけどなあ。

「指示」と言われれば断るに断れない。






悲しかな

(マネジメントが板につく)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ