笑って、嗤って、翻す
□代弁よろしく
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しょうがないなあ、と(上から目線だけど)入江が交代してくれたことに感謝する。
たしかに代弁してくれたことは嬉しいけど、と鬼にグチった。
「……あんなベラベラ言われて理解できるかな?」
「さあな」
「無理、私なら無理」
ここの“ルール”を説明してるみたいだけど、あんな一気に言われたら私なら理解不可能。
しかもおまけに、
「対戦相手を引きずり落とすのがここのルールなんだ」
とか怖いこと言ってるし。確かにその通りなんだけどね。
入江が言うと更に怖さが増す、っていうか。
これで中学生を少し圧するつもりかな。それなら成功かも、押し黙ってる。
…これも入江なりのフォローかもしれないけど、明るく自己紹介をし始めた。
「僕は3番コートの入江!よろしく」
「5番鬼!」
この流れだとあれかな、同じ高三生として私の自己紹介の流れかな。
でもしゃしゃってる中学生にその流れは中断される。
「アンタは強いんスか?いや〜ボク試合…」
こいつもアホだなあ…。
「帰りたいのか?」
よりによって、徳川につっかかるなんて。
助け舟出すのも面倒だし。
「人が代弁してあげたのにぼーっとしてるあの子が、この合宿所唯一の女子」
はいまさかの急展開。
こっちきますか。今更こっち?
「マネージャーの中山です、よろしく」
でもそれをスルリとかわす私すげえ。
無茶ぶりには馴れてるもんね、誰かさんのおかげで。
代弁よろしく
(意外なとこから攻撃キター)