All are miracles
□心熱くなる
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「実は、オレさ──」
“オレさ、キセキの事が好きなんだ”
『え、キルア?何言ってるの?私達、姉弟だよ』
「そんなこと関係ないね。オレ、キセキのこと姉貴としてみたことなんて一度もないんだ」
『キルア……』
「キセキ、愛してるぜ」
ぶっちゅ〜〜〜
みたいな展開になっちゃったりして!?
きゃーっ、きゃーっ、きゃー!!
ポンッ
へ?
「おい、キセキ?お前またオレの話聞いてなかっただろ?」
『……あ』
キルアに肩を叩かれたキセキは一気に現実に引き戻された
『……っ、ごめんなさい』
めちゃくちゃ冷たい目でキセキを見るキルア
はぁ、告白なわけないか……
何考えてんだか。落ち着け、落ち着け自分
『……コホン。で、話ってなぁに?』
今さら平常心を装うキセキだった
「っつーか!キセキ、これから仕事なんだろ?時間いいのかよ?」
『う゛ぁ゛っっ!!そうだったぁ゙あ!!』
再び掛け時計を見れば、時間は待ち合わせ時間1分前
──まずい。イルミの暗殺対象が私になってしまう
『ごめんキルアっ、話、また今度でもいいっ?』
キセキは、忙しなくドアノブに手をかけた
「あ―…っ、キセキ!ちょっと待った!今日、何時頃帰んの?」
『えっと……多分、22時くらいじゃないかな?』
ごめん。超アバウトだけど
「んじゃ、オレはここで待ってるよ。別にいーっしょ?」
ボスンッ
そう言うとキルアは部屋の中央にドンとあるクィーンサイズのベッドにダイブした
『ちょ、キルア……っ!?』
「お、これ面白そうじゃん!」
キルアは、お構い無しに枕元にあったマンガを手に取りパラパラと捲り出した
居座る気満々じゃーん
「ん、なんだよキセキ。仕事行かなくていーの?」
『行くよ、行くけどさぁ……』
「あ、そーだ!」
『もぅ、今度はなに……?』
「キセキ、ほら」
キルアが満面の笑みを浮かべて小指を出してきた
『へ……?』
「帰ってきたら、ちゃんとオレの話聞けよな?ボーッとしたり、話聞いてなかったとかはなしだぜ?ほら」
『う……うんっ』
キセキはドアノブにかけていた手をスルリと離すと、キルアに歩み寄った
キルアの、まだまだ子供な小さい小指と、キセキの女性らしい華奢な小指が絡み合う
「約束なっ!」
『……はい///』
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