All are miracles
□いけない恋心
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昼下がり
夜に、暗殺の仕事が入っているキセキは、庭でイメトレをしていた
『えいっ、やぁー!とぉー!』
うーん、なんかいまいちだなぁ……
自分で言うのもなんですが、動きにキレがない
はぁ、またイルミにダメ出しされるなこりゃ
なんて思っていると……
前方にマイブラザー、キルア発見!
『キルアーっ!』
キセキは嬉しそうに大きく手を振りながら、キルアに駆け寄った
『……あれ?キルア、どうかしたのー?』
キルアは明らかに不機嫌そうだった。ブスーッとしていて、何だかイライラした様子
「また兄貴のやつがさぁー」
と、キルアはぶつくさ文句をたれはじめた
兄貴、とは多分イルミの事だろう。(ミルキだったらブタくんだし)
きっと、イルミがまたキルアに暗殺家業のイロハをくどくどと教え込んだに違いない
「ほんっとに最悪だったんだぜー」
なんて言いながら、キルアは口を尖らせて、頭をポリポリと掻いてる
キセキはそんなキルアをニコニコと見つめていた
───キルアって本当に可愛いなぁー。フワフワした猫っ毛にクリクリの目
それに睫毛ながくって……
鼻や唇はちょこんとしてて愛らしくて
あぁ、キルアってば本当に──……
「っつーか!キセキ、オレの話聞いてないだろ?」
『え……?』
キセキはハッとした。気がつけばキルアがジトーっとした顔でキセキを見ていた
『……あ!……ごめん。今、話聞いてなかった……』
「ちぇ、なんだよ、それ!」
キルアは更にふて腐れた
『う〜っ、キルアー。そんなに怒んないでよ〜っ!ね?』
「……しょうがねーなぁ。んじゃ、チョコロボ君200個で許してやってもいいぜ?」
『に、200個!?』
キセキが驚いて目を見開くと、キルアは言った。
「そう、200個!いっとくけどオレ、マジだかんね!」
ニヒヒッとイタズラに笑うキルア。その笑顔は、太陽よりも眩しく輝いていた
『んもぉ、キルア……無茶苦茶すぎだよー!』
でもそんなキルアが好き
大好き
でもそれは、お姉ちゃんとしての好きじゃない───……
いけない恋心
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