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□生意気な少年!
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“手刀のキルア”その異名をもつものは、僕よりも小さくて年下だった
ふわふわの銀髪に、クリッと大きな猫目が印象的な、男の子
手刀のキルア……
まだ、子供じゃないか
しかし、50階クラスにいる奴なんて並大抵の強さじゃない筈だ
「両者、リングの上へ!」
審判が、大きな声をあげた
ローズの対戦相手“手刀のキルア”は、あからさまに余裕な態度でリングの上にやってきた
ズボンのポッケに手を突っ込んでいる
「ワリーけど、女だからって容赦しないからね」
『な……っ!』
なんて生意気な奴なんだ!?
『……ふん、後で泣いても知らないぞ、“ボウヤ!”』
「なっ……!」
互いに第一印象は、最悪
両者、睨み合う。その間でバチバチと火花が飛び散っている
──これは、負けられない戦いになりそうだ
「それでは、始めっ!」
審判が、試合開始のアイズを出す
ヒュンっ───
試合が始まるやいなや、キルアは一瞬でローズの背後をとった
『!』
ズンッ!
『ぐっ……!』
ローズの顔が歪んだ。一瞬すぎて何が起きたかわからない。トンカチで、思いっきり打たれたかのように頭が割れそうだ
やはりキルアは、その異名通り、得意の手刀で攻めてきた
それをモロに、うけたローズ。首から上がジーンとして、身体全体がズシリと重くなる
『っ……そ、んな』
相手が、お子ちゃまだからって油断した訳じゃない
キルア、この子……強い
『……く、そっ──!』
バタンッ
ローズは倒れた
「クリーンヒットォーーー!」
ワァァァァ―――!!
ローズが倒れると、観客達が吠えるように声を上げた
励ましの声援や、野次で闘技場内はごっちゃごちゃ
すると、地べたに横たわるローズに審判が近づき「立てるか?」と聞いてきた
──あぁ、なんて悔しいんだろう
『……立てる、立てるよっ!』
ローズが立ち上がると、大歓声が起きた。キルアは、驚いた顔をしてローズをみている
『ち、くしょー……』
ローズの闘志に火がついた
やるよ、やってやる
『えぇーーい──!』
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