Vanilla

□それは、何フラグ?
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そして10時間が過ぎ、ふたたび鬼ごっこ開始



「お嬢ちゃーん、待ってたわよー♪」



10時間前と同じメンツだ



『さっさと初めて下さい』



「あら?見かけによらず冷たい子。じゃ、数えるわね。12345678……!!」



相変わらず数えるの早い



ダッ……!



ダダダダダダ……!!



『〜〜っ!』



バニラは、試練官達に露骨すぎるくらい露骨に狙われる



彼らはもう、バニラしか見えていないようだ



バニラは、右足の痛みを堪えながら一生懸命に走り、逃げた













足に爆弾を抱えている状態だったが、なんと奇跡的に捕まらず、チェックポイント2、3、4と、ペナルティ無しで通過することができた



ダダダダダダ……!!



そして今、バニラと301番はチェックポイント5へ向かって、ひたすら走っている



「あーっもう!なんでよーっ」



「すばしっこいガキだな」



なかなか捕まえる事ができないからなのか試練官達がイライラし出す



後ろの方で何か言ってるのが聞こえてくる



「このままじゃマズイよ」



「さっさと取っ捕まえて刑期へらしてぇしな」



『!?』



ひゃー……何か聞かなきゃ良かった。ってか聞こえてきたんだけど。



でも、なんであんなに試練官達が必死なのか理由がわかってちょっとスッキリ



ヌルッ……!



『ひゃっ!?』












ビッターン!!



話しに気を取られ油断していたバニラは、何かを踏んだらしく、思いっきり転んでしまった



『いっ……た……って、なにこれ……!?』



……油?



辺り一帯がヌルヌルヌメヌメしている



立ち上がろうとしても滑ってうまく立ち上がれない



――ズキッ……!



『痛っ……』



起き上がろうと変に力を入れれば右足が悲鳴をあげる



バニラ、絶体絶命の大ピンチ!

















そんなバニラを見て、試練官達は嬉しそう



「うふふふ、私のお手製トラップにひっかかったわねー!」



「さぁ、捕まえ……っわー!!」



ビッターン!!バッターン!!



試練官達、床のヌルヌルで足を滑らせてドミノ倒しに



「きゃー、いたーい!」



「グハッ、頭を強く打ってしまったようだ」



「ちょ、アンタどさくさ紛れにドコさわってんのよー」



ひっちゃかめっちゃか



『………』



それを冷たい目で見つめるバニラ



あぁ、この人達がバカで良かった



よし、今のうちに……



『!!』



バニラはいつの間にか、かなり接近していた試練官の女にしっかりと左足を捕まれてしまった



「づ……づがまぇ゛だ……」



う、うそ───





【ペナルティ10時間】






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