Vanilla

□それは、何フラグ?
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ドアの先は、狭い通路になっていた



バニラと301番が完全に中に入ると、背後に人の気配が



『!?』



振り返るとそこには、男3人と女2人。なにやら異質な雰囲気 漂う輩が居た



「こんにちはー♪“隘路の道”試練官のものでーす」



その先頭に位置している若い女が、やたら甲高い声で話し出した



「えーと、今から鬼ごっこしまーす。ちなみに鬼は私達です☆先に言いますが殺しはNGですよー?」



女は早口で話す。何をそんなに急いでいるのやら



「あ、そうそう。私達に捕まったらペナルティで10時間支払ってもらいますから♪」



女は、ニッコリと胡散臭い笑みを浮かべた



「では、スタート★」



『え……?』



そんな、唐突すぎるっ!



なにがなんだかわからないままのバニラは女にガシッと腕を捕まれ、あっさり捕まってしまう



「はーい、捕まえたー♪」





【ペナルティ10時間】





チーン



「やったー♪ちなみにペナルティの10時間はチェックポイントで過ごしてもらうことになりますからねー」



『チェック……ポイント?』



「そう、チェックポイント。じゃあ10秒数えるんで、また逃げて下さいねー」



『ちょっ……』



「12345678……!!」



うそー!数えんのはやっ!!



―――――ダッ……!



バニラは焦って、思いきりダッシュする



その後ろでは、10数え終わった試練官達がバニラのみを狙う



「「「「「まてー!」」」」」



ダダダダダダ……!!



すごい形相で追いかけてくる試練官達。必死すぎてメチャクチャ怖い



ヒュンっ



『きゃっ……!?』



バニラの頭の横を何かがかすった



ナイフだ



他にも色々飛んでくる



なんかもう滅茶苦茶なんですけど……!



『い゛ゃぁ゛ー!』


















【チェックポイント1】



『はぁ……はぁ……ここがチェックポイント……?』



息を切らすバニラ



バニラは試練官に容赦なく狙われ続け、だいぶお疲れモード



その横で、301番は息一つ乱さず悠々としている



なぜバニラだけが狙われるのかは301番の風貌を見れば一目瞭然だった



バニラはチラリと301番を見る



―――――カタカタカタカタ!!



ビクッ



やっぱ恐い。見た目も動きも



もし自分が試練官なら301番は絶対に狙わない



そう思った。



だから自分だけが狙われるのは、仕方ない事なのかもしれない……



うぅ。



バニラは泣く泣くこの状況を受け入れるしかなかった










隔離された部屋には、必要最低限のもの(トイレや軽い飲食物等)と、大きなタイマー



残り9時間58分……



ペナルティはチェックポイントで過ごす、とはこういうことか



バニラは、部屋の真ん中にあるソファーにゆっくり腰を落とし、改めて状況を整理することに



“隘路の道”=試練官と鬼ごっこ



鬼である試練官に捕まるとペナルティで10時間。その10時間は、チェックポイントで過ごす

(チェックポイントはあといくつあるか不明……)



+α、チェックポイントに入るには2人でボタンを同時に押さないとドアが開かない

(そこは2人で協力……)



さらにいえば、右足の捻挫に、試練官の無法な集中狙い



パートナーは不気味な男



『はぁ……』



前途多難。一次試験、二次試験と比べたら、だいぶキツいかもしれない





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