Vanilla
□それは、後に繋がる
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ガコンッ
隠し扉を通ればそこは……
天井でした。
『え?』
ヒュ───ッ……
─────ドスンッ!!
バニラは思いっきり尻餅をついてしまった
『痛っ……』
最悪
右足首がズキズキする。どうやら変に捻ったらしい。痛みを堪えながらバニラは立ち上がる
──ここは?
キョロキョロと辺りを見渡せば、ドア(らしきもの)があった
『あれ?』
しかし、そのドアにはドアノブというものがない
ドアの横には“隘路の道”と書かれたプレートがかかっている
引くことが不可能ならば押すしかない
と、バニラはドアの前まで行きドアを押してみる
『……んっ!』
開かない。両手でも無理
ドガッ!
殴ってみた。開かない
スリスリ……
擦ってみた。開かない
よし、それなら奥の手!
『ひらけーゴマっ!』
呪文を唱えてみた
……シーン……
ダメだ、開かない。そして、なにこの虚しさ
(誰も居なくてよかったです)
バニラは口を尖らせ、首を傾げた
『うーん』
どうしよ──……
すると、天井から物音が
ガコンッ
『!?』
バニラはビックリして、音がする方を見る
すると大きな人影がストンッと華麗に着地した
バニラの目の前には、謎の男が
誰──?
男の体格はわりと大柄で、見た目はなんとも言えない不気味な成り立ちをしている
両者、バチッっと目があった
「………」 『………』
互いに無言
明らかにヤバそうな人に、バニラはたじろぐ
しかし胸にある“301”番のプレートが目に入ると、そこでバニラは理解した
なるほど
彼は、ハンター試験を受けに来ている受験生なのだと
『あ……あの?』
バニラは、直立不動する301番に声をかけた
「…………」
男は無反応
『……301番さん?』
バニラは不思議そうに、もう一度声をかけた
──カタカタカタカタ!
ビクッ
突然、301番が小刻みに震えだした
かなり謎。+怖い、恐ろしすぎる!!
バニラが困惑していると“ゴゴゴゴ……”と重低音が部屋中に響き渡った
何事かと思っていると、何をしてもびくともしなかったドアが開かれ、床からタイマーが2つ現れる
『これは……?』
バニラが口を開いた時だった、スピーカーから声が。恐らく試験官の声だろう
((このタワーには幾通りものルートが用意されており、それぞれクリア条件が異なるのだ))
バニラと301番は、スピーカーの声に耳を傾けた