Vanilla
□ときめいちゃった
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『ねぇ、ヒソカ急ごう。先頭からだいぶ離れちゃったよ』
バニラがヒソカの服の裾を軽く引っ張った
しかし、ヒソカはうんともすんとも言わず、ただ一点を集中的に見つめる
『ヒソカ?』
バニラもヒソカと同じ方を見る
そこには2つの人影が霧の中に見えた
少しずつ僅かに晴れていく霧の中から、爽やかな金髪の少年と、上半身裸ネクタイの男が現れる
「「!」」
2人は、ヒソカと無惨な死体を見るなり、硬直してしまった
まずいな……という表情からして彼らは、偶然その場に居合わせてしまっただけのようだ
ヒソカはそんな2人を下から上へ舐め回すようにして見ている
『あの2人は、ほっといて早く行こう』
「ククッ……ククク……いいねぇ、その目◆そそられるよ……」
ヒソカは、妖しい笑みを浮かべて、一歩一歩ゆっくりと2人に近づく
『……そう、私は無視なわけ』
バニラはヒソカに背を向けた
『いいよ、一人でいくから』