薄桜鬼〜トリップ夢〜
□本心
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左】戻ったか。つか、お前全然食ってねえじゃねぇか。
眉を寄せながら言う原田さんを苦笑いしながらかわすと、丁度土方さんから、明日から土方さんと山南さんで大坂出張だという話を聞いた。
輝】!大…坂…?
左】輝叉?
輝】っ!あ、なんでも…。
もうそんな時期か…、大坂は山南さんが怪我をするんだった…。
私が考え込んでいるうちに解散となり、私は慌てて立ち上がって山南さんを追いかけた。
輝】山南総長っ!!っうわ!?
南】?
なんとか追いついて声をかけたはいいものの、慣れない着物で足がもつれてこけそうになる。
輝】(やばいっ…)!わぷっ!
南】大丈夫ですか、神霧君?
私の声で振り返っていた山南さんが受けとめてくれたが、私は勢いで山南さんの胸元に顔面をぶつけた。
輝】す、すいまs
南】神霧君。
輝】はい?
南】先日、君を広間へ運んだ時、もしやと思いましたが、君は女性、ですね?
輝】っ!!
断言するように告げられ、思わずバッと身を離す。すると山南さんは苦笑して言葉を続けた。
輝】っ…あ…、…黙っていて申し訳ありません。ですがっ、どうか他の方々には黙っていてもらえませんか…?
南】それはまたどうして?
輝】女だからといって差別されるのはごめんです…。かばわれるのも…。私はあなた方を護りにきたのであって、護られにきたわけではありません。お願いします…言わないでください…!!
私が深く頭を下げると、山南さんは少し考え込むように黙り、私の顔を上げさせた。
南】わかりました、言いません。ですが、原田君は知っているのでしょう?
輝】!なぜ…?
南】彼もあなたのことを運んでいますから。
そう言われればそうだった。私がひとりで納得していると、山南さんは思い出したように告げた。
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