薄桜鬼〜トリップ夢〜

□本心
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南】それで?私になにかご用でも?
輝】!(そうだった…)今回の、大坂出張…気をつけて下さい。
南】!それはどういう意味でしょう?
輝】…私の知る限りでは、山南総長は今回の大坂出張で怪我をして…刀が握れなくなります。
南】!
輝】万が一、怪我をしてお帰りになられたとしても、私の能力で必ず治します。ですが、元より気をつけていただくにこしたことはありません。ですから…っ。

山南さんは途中から顔をしかめていたが、私が泣きそうな表情をしていたのか、優しく微笑んで告げた。

南】わかりました。肝に銘じておきましょう。あなたに負担もかけたくないですしね。だから、そんなツラそうな顔をしないでください。
輝】っお気をつけて…。
南】ありがとう。では、私は準備があるので行きますね。

そういって、私の頭をかるく撫でると彼は自室へと戻っていった。

輝】…物語は、動き始めた…。さし当たって歴史を変えなきゃならねぇのは、池田屋事件、だな…。

私はそうつぶやきながら、原田さんの部屋に戻ろうと歩き出す。
池田屋事件のときどう動くかぶつぶついいながら。

輝】…池田屋事件は…幹部では沖田さんと藤堂さんが風間、天霧と接触して怪我をするんだったよな…。あぁ…一般隊士でも、裏に回った人で死者1人、重傷者2人、だったか…?どうする…?影分身7体つくって、幹部に2人ずつ、残りの3人を裏に回せば大体は…。てことは、使うとしたらナルトは確定だろ…?もう1つか2つ、予備でほしいから…。

と、その時。

─サァッ…

輝】うっ…わ…(貧血かっ…?)

いかにも、血の気が引く、という言葉がふさわしい状況になり、立っていられなくなった私は、なんとか近くの柱につかまり、ゆっくりとしゃがみ込む。

輝】っ…気持ちわりっ…。

と思わず口元を押さえていると、後ろから足音が聞こえた。その足音の主たちは私を見つけたのであろう、小走りで駆け寄ってきた。

?】大丈夫か、輝叉。
輝】っ左、之助さ…?平助さん、も…。
平】!貧血か…?顔真っ青だぞ。
輝】っ大、じょ…ぶっ…ていうか、それ…?

原田さんが運んでいたであろうお盆には、小さな土鍋とお椀がのせてあって、土鍋から湯気が出ていた。

左】あぁ、粥だよ。お前さっき何も食ってねぇから。大方、固形のモノを体が受け付けなくて、味噌汁に手ぇ出したら予想外に味が濃くてむせたんだろ?

だから、味薄めで千鶴に作ってもらった。という原田さん。 
あんた鋭すぎるだろ…。なにか?人の心読めるのか?と内心思いつつも、今は動けない。というか動きたくない。
またもやそれを悟ったのか、原田さんは藤堂さんにお盆をもたせると、ゆっくりと私を抱き上げた。

輝】っ左之助さっ…歩き、ますからっ…。
左】いいから大人しくしてろ。
平】そうだぜ輝叉。おまえが思ってる以上に具合悪そうだから。
左】動くぞ。

そういって、私は原田さんの部屋へと戻り、また布団へとゆっくりおろされた。



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