刀涙

□金平糖
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「たっだいまー」


返事なんか期待してないけど取り敢えず癖なので言う



まぁ稀に蜜蜂が出迎えてくれるけど




縁側に腰をおろすと、ペタペタと廊下を小走りする音が聞こえてきた



「あ、あああの…し…白蛇様……っお帰りなさい…!!」


廊下を小走りしていたのは人鳥だったのだ



「ただいま、人鳥」


白蛇の隣に腰をおろす
白蛇はふんわりと優しく笑うと人鳥の頭を撫でた



「あ、お土産あったんだ」


胸に手を入れゴソゴソと漁る

ずぽっと抜いた手には小さな包み紙



「はい、コレ。任務帰り寄った町の駄菓子屋さんで売ってたの」


「これは……」



「金平糖よ。あまりにも可愛かったからつい買っちゃった」


ふふっと笑う白蛇
紐をほどいて中を見ると、桃色や空色、黄色や白色など様々な色のついた金平糖がぎっしりと詰まっていた



「後で喰鮫や海亀さんと一緒に食べて」



「あ、あああ…ありあ、ありがとうご、御座います…!!」


一つつまんで口に入れる
砂糖の甘さが口いっぱいに広がり、口元が緩む


コロコロと口の中で転がすといつの間にか消えていた




「おや、そこにいるのは白蛇と人鳥ではありませんか」


ギシッと床板を軋む音と声がした方に目を向ける



「あ、喰鮫。たでーまー」


「く、くい喰鮫さま……!」


「お帰りなさい。おや、その包みはなんですか?」


「こ、ここん…金平糖ですっ!!」


「金平糖ですか。いいですねいいですねいいですね」


人鳥に包みを差し出され空色の金平糖を一つつまみ上げる


「まぁ私としては金平糖よりも甘い貴女を食べ「その無駄に長い髪の毛一本残らず毟ってやろうか?」……ごめんなさい」



にっこりと素晴らしい笑顔を喰鮫に向ける
喰鮫の表情が僅かに引きつる
白蛇の隣でガクガクと震える人鳥



「んー、あまーい」


「お、おいしいですっ」


「たまには甘い物もいいかもしれませんね」





コロコロ





【了】



うーん、久しぶり過ぎていまいちキャラが掴めない
 

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