海涙

□灰色の空
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煩い喧騒が響く


だが、今のカンナには何も聞こえてはいなかった












エースが死んだ









見開いた目が震える、否、目だけじゃない
手も足も全部が震えだす



酷い耳鳴りがする


まるでエースの死を受け入れる事を否定するように


必死になってエースの体に電気を流し、細胞の活性化を試みだが、まるで無駄だった




サッチの時と同じ様に




なにも出来なかったー…っ!!






だけど今泣き崩れる訳にはいかない
泣くなんて後でもできる。


今は


エースの弟を守らなきゃ




涙を拭って痛む脇腹を抑えながら立ち上がる


ふっと視界の端に青い炎が目に入った




「マルコ……」


「カンナ、行けるかよい?」

マルコの問いに、愚問だと言い放つ


「必ず、守り抜く」


「あぁ、必ずだ」




赤犬がルフィとジンベエに襲いかかるが、マルコの青い炎に抑えられる

「コイツの命は…やらねぇ!!」


「ぐっ…!!そこを退けい!!」


赤犬のマグマに押されるマルコ


「まだ、闘いは終わってないよい!!」


泣いていたクルーが顔を上げる


「麦わらこそ、生きるエースの意志!!エースの弟を連れて行くよい!!ジンベエ!!」


任された!!とルフィを担いで走り出すジンベエ


「エースに代わって、俺達が麦わらを守り抜く!!もし!死なせたら……、白ひげ海賊団の恥と思え!!!!!」



マルコの声に泣き崩れていたクルーが立ち上がる


「兄弟揃って、逃がさんと言うたろうが!!」


「ぐっ……ぁああ!!!!」




マグマに青い炎が浸食され、吹き飛ぶマルコ



!!


「マルコ!!」


「カンナ!!ジンベエを守れ!!」


傷付いたマルコを見て一瞬走るのを躊躇したがそれも一瞬






「必ず守る!!」



マルコに背を向けると、信じてるよいと呟いたのが聞こえた



「赤犬ーーーーっ!!」



覇気を纏わせ、思いっ切り赤犬を蹴り飛ばす


「早く逃げろ!!ジンベエ!!」




「忝(カタジケ)ない…っ」






キッと赤犬を見据える



無理な雷凰化で体が悲鳴をあげてるのがわかる
ゴホッと大量の血を吐き出す








時間がない






「退かんか!!」


「ー…っ退くかよ!!」





心臓が痛い……っ





「天雷!!」


「ぐ…っ、おんどりゃぁ…っ」





上手く逃げ切ってくれよ……?



ふと笑顔のエースが脳裏をよぎる


ったく、エースの奴


なぁーにが
「こんなどうしようもない俺を愛してくれてありがとう」だ


ふざけんなよ



どうしようもない奴だったら誰も此処まで助けになんざこねぇよ


まぁ確かにお前はどうしようもない奴だったけどよ



笑いながら死にやがって




どうしようもない大馬鹿野郎だよ




嗚呼、ムカつく



ムカつく



ムカつく




何がムカつくって






なんで逃げなかった



なんで避けなかった



なんで

なんで

なんで

なんで















なんで死んだんだ…っ

お前が死んだら、小生達は何の為に闘ったのかわからないじゃないか!!
お前の為に死んでいった奴らは?無駄死にじゃねぇかよ!!



喉が焼け付くように熱い
叫びたい衝動に駆られる


「貴様には用はないと言うとろうが!!」


「お前になくとも小生にはあんだよ!!」



エース


お前は死んでしまった
その事実は変えられない


だから

せめて、お前を殺したコイツだけは地獄に送ってやるから



ザリッと互いに地面を鳴らす


二人の目が怪しく光る




「殺してやるよ」


「ぬかせ、青二才が」



そして、マグマと雷がまたぶつかった





Fin.











すいません、途中から意味がわからなくなってしまいました。





エースマジ愛してる。
 

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