影涙

□これが僕の初恋でした
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中学時代、僕は見た目どおりの性格で昔から苛められていた


からかう同級生に僕は毎日びくびくしながら生活していた



そんなある日、いつものように同級生に公園まで連れてこられお金をせびられた

最初は嫌だと抵抗したが突き飛ばされて尻餅をついた
もうそれだけで僕の戦意は完全に喪失


僕はポケットに入った財布を手に取ったー…



「へぇ、渡しちゃうんだ」



!?



ガツンと同級生の頭にバスケットボールが当たった…クリティカルヒットだった



「いってぇ〜!!」と騒ぐ同級生。ボールが飛んできた方に視線を走らすとそこには、予想よりもはるかに小さい身長の女の子


ガラの悪い同級生が女の子に掴みかかる

女の子は胸ぐらを掴み上げられているにも関わらず動じた風もなく平然と口を開いた



「いるよね〜、弱い子に寄ってたかってお金巻き上げる奴。しかも俺はイケてますな感じ醸し出してるけど実は周りから引かれてることに気付いてないイタイ感じの人間。あぁ、誰とは言わないよ?集まって悪戯したり悪さしたりして俺は強いんだ〜みたいに装ってるけど実は一人になった途端大人しくだんまり決め込んじゃう実はシャイボーイだったり。一人じゃなぁんも出来ないのに俺の言うこと聞けやコラァみたいな俺の言うこと逆らってんじゃねぇよコラァみたいな厨二な感じマジイタ「っだとコラァ!!」…ここでキレるってことはそれは肯定と同じだよ」


「ガ…ッ!?」



僕は目を見開いた


だって、あんな小さい子が自分よりはるかに大きな男子に回し蹴り決めてしかもその男子は横に吹っ飛んで…え!?あれ?女の子……あれ??



目の前の光景に頭の中が混乱する





「弱いものイジメは駄目だよ。しょーねんたち」




悪戯に笑う笑顔はさっき一瞬見せた凶悪的な笑みを感じさせない



二重人格…?




「あ、あの…」


「あ!!あたし連れ待たしてんだ!!」

「え!?……え」

「じゃあね少年!!イジメられたら耐えずにやり返せよー」


「あ、ちょ、ま…!!」



行っちゃった




ポツンと一人取り残された桜井

先ほどの同級生は先ほど吹き飛ばされた仲間を連れて一目散に逃げた



凛とした顔に、短い髪、小さくて華奢な身長、はっきりとした性格




ボッと熱くなる顔



「好きになっちゃった…か…もっ」



名前はなんて言うんだろ
どこの学校だろ
好きな食べ物はなんだろ
好みのタイプはどんなんだろ



彼女の事が気になる











†††






「思えばこれがその人との出会いでした」


あー…とうなだれる青峰


「………良」


「は、はい!!」


「いや、なんでもねぇ」





コイツが好きなのって…


まさか………



†††













「へっくしゅ」


「きたねっ」

「風邪ですか?」


「火神シネ、んー、誰かが噂してんじゃない?」








Fin

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