影涙

□あーゆーはっぴー?
1ページ/1ページ




「うーぁーだぁーりぃー」


「うるさいのだよ、高尾」



重いペダルをこぎ続ける高尾、リアカーに乗った緑間は優雅にあったか〜いおしるこを飲む



あー…今日俺誕生日なのに






ちっくしょー、とぼやきながら高尾はまたペダルをこいだ





†††








学校につくと伸びを一つ


「あー…………っ」


「あれ?」


「んー…?」


コキリと首を鳴らすと振り返る。そこにいたのは同じクラスの漆原咲。…もっといえば俺のカノジョだったりする


「漆原か」

「あ、緑間くんもおはよー」

「おはよう」

「咲ー、俺にはー?」


「うわっ、っと、和成おはよー」


飛びついてきた高尾にほんのりと頬を赤らめる咲



軽く拗ねたような仕草をする高尾に、咲はくすりと笑った


「はぁ…」


軽い溜め息を吐くと緑間はいつものようにメガネのブリッジをあげた


「高尾、先に行く」

「おー」



気を利かせてくれたのだろう。



二人きりになった


「あ、和成」

「やっべー…」

「え?」



一気に距離が縮まったかと思うと唇に柔らかい感触



「ん………」


ぬるりと舌が入ってきたかと思うと歯列をなぞられ、唇は離れた


銀の糸が引いたかと思うと、ちゅるりと高尾に舐めとられた



「は…はぁ……っば、馬鹿じゃないの!?人が、い、いるで…」


言い終わる前にまた唇に吸い尽くし高尾


「ん……ッば……ッ」



離れる唇と唇



「仕方ねぇだろ?」



お前が可愛すぎんのがいけねー



ボッと一気に赤くなる顔



かーわいいー



頬がゆるゆると緩む


咲は小さく、「まだプレゼント渡してないのに…」
と呟く

咲がバックから出す
手渡されたのは淡い水色のマフラー


「マジ?」

「う、うんっ良かったら」



「ねぇ、咲」





もっかいちゅーしていい?





(ってか時間!!)
(もー遅刻してこーぜ)
(アホ!走るよ!!)



Fin


高尾誕生日おめっとぉぉぉおおおお!!!!!!

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ