お題小説

□雷雨
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目がくらむほどの光と、体中に響く轟音。

──降ってきたか。

バスの中から外界を見る。
お天気キャスターが言っていた通り、雨が降りはじめた。

外は真っ暗で、道は山道。
自分1人だけを乗せたバスは、未知の世界へと進むかのように闇を進んだ。
もう1年近くこの道を通っている自分は、この気味の悪さにも慣れてしまった。最後までこのバスを利用するのはいつも自分だけ。
バス停に着き、街へと戻っていくバスを見送ると、いよいよ未知の世界に取り残された気持ちになる。

今日は雨。
あいにく傘は無い。
バス停から我が家までは徒歩で15分ほどだが、この豪雨では無理だろう。
バス停のトタン屋根の下、車も通らない道にただ1人立ち尽くした。





トタン屋根に落ちる雨音と雷音をどのくらい聞いた時だろうか。

ふと、隣りに人の気配を感じて横を向いた。



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