お題小説
□烙印
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この腕の刺青は
あなたの所有物である証。
これが消えたら私は
本当の自由を手に入れるのだろうか。
…いいえ、これは烙印。
きっと消えることなく私を呪い続けるのでしょう。
「こっちだ」
今日も檻の中からあなたの声を聞く。
また誰か知らない人を連れて来たあなたは私を観葉植物のようにしか思ってないのでしょうね。
“見せ物”としての生き方には慣れた。
私は人形。
感情を持ってはいけないのだから。
「まぁ、確かに美しいわ」
そう言われる度に私の心は汚れていく。
あなたが言うそのウツクシイは、きっとこの瞳の色。
緋色に燃えた血の光沢。
ルビーよりも何よりも、悪魔に呪われしその色に、人々は惹かれて止まない。
「悪魔の子とは良く言ったものだな」
“悪魔の子”
これが私の名。
「ねぇカッティ、この子、檻の外に出して見せて頂戴な」
真っ赤に頬を紅潮させた女性が私を檻から出すようあなたに言う。
唯一私が檻から出してもらえる時間。
あなたは自慢気に私を見せる。
そして言うんだ…
「コレハワタシノモノダ」
END
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「クラシック」続編でした。
鑑賞人間とされている主人公。
このお話、調子が良ければシリーズ化する可能性あります^^笑
ここまで読んで下さってありがとうございました。
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