ストーリー

□T
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赤沢は悪目立ちする。いるだけで存在感もあるし目をひく。入学したときから知っていた。
たぶんこの学年の生徒なら誰でも“あかさわ”とゆう名前が出ただけで彼のことだとわかるだろう。
赤沢とはたまに廊下ですれ違うくら。関わり合いなんてなかった。
そうやってお互い関わることがないまま過ごして2年。
3年になってからだった、大学受験のために通い始めた塾の隣の席に赤沢はいた。
『あー3部の?あんた悪目立ちすっから。』
はじめて赤沢から受けた一言だった。
アタシが悪目立ち?そのまま同じ言葉を赤沢に返してあげた。
赤沢は左の口角を少し釣り上げてケラケラと皮肉っぽくもあるのに綺麗に笑った。
コレだから整った顔の人は憎い。
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