ストーリー
□兄妹事情
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『兄妹事情』FROM type-CK
『がっくんひっつかないで』
私は怪訝な顔をしながら訴えた。
『こうしてるのが一番落ち着く』
がっくんは体育座りする私を後ろからすっぱり抱きしめてテレビを見始めた。
小さいときからこんな感じで、きっとがっくんはまだ私のことを小学生くらいにしか思ってないんだと思う。
…本当の兄妹なのに。
がっくんは私のお腹に腕をまわし、さらにギュウっと引っ付いて来る。
『いつも思うんだけど何目的?…彼女にしなよ、こうゆうこと』
私の冷めた声。
『栄がすきなの』
がっくんは屈託なく笑う。そしてまたギュウっとしてくる。
でも、ホントはがっくんにかまってもらえてうれしいの伝わっちゃってるのかな。
『え?』
聞こえないふりをした。え?って言ってる時点で聞こえてるんだけどね。
がっくんは私の耳元に唇を近づけ『さかえがすきだよ』と小さく言った。
やめてよ、その一言に私弱いんだから。
2009.7.28