蓮くんの受難
□VS 親衛隊
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生徒会室で、無期限無報酬のお茶汲み。
先日、メガネの居場所を教えて頂いた情報料とかで。
85℃のお湯に、お湯を染み込ませるようにゆっくりとコーヒーを落としていく。
必要性はまったくないのに、小姑達に囲まれて、コーヒーの淹れ方の勉強中。
紙を入れてコーヒーと睨めっこして、生徒会のみなさまにコーヒーを配る。
「うん。今日はおいしい」
良かった。
ちょっ…紫苑先輩!
何するんですか…!?
「ご褒美のキス」
何ですかそれ!
いりません。
いりませんから…!
紫苑に抱き締められてた腕を白樺に引っ張られる。
そのまま、すっぽりと白樺の腕の中に収まるのはいつもの光景。
紫苑も特に気にした様子はない。
くすくすと笑うと、黙って書類を見つめていた生徒会長に目を向けた。
「楓。相談があるんだけど」
珍しい。
紫苑先輩が改まって、生徒会長に言うなんて。
書類を見つめたまま、僕達を完全無視していた生徒会長。
顔を上げて、紫苑を見返した。