寮生活お題小ネタ


お題を使っての寮生活小ネタです。
バカップル獄ツナと、その周りの人々の日常をちょっぴり覗き見していただければと思います(笑)。

お題提供:
確かに恋だった

◆バカップルへ30 題17.お花見 

「獄寺君、準備出来た?」

「はい、ばっちりです」

「うふふー、これで後は俺が頼んだのが届くのを待つばかりだね」

「そうですね」

楽しみーと、にこにこ笑うツナの頭を撫でて、獄寺も笑う。

「炎真喜んでくれるかなぁ」

「ええ、きっと。あなたが炎真のためにとご用意されたものです、喜ばないわけがありません」

ピンポーン

ちゅ、と小さくキスを交わした2人の耳に入ってきたインターホンの音。

「はーいっ!」

来客主が分かっているかのようにお財布片手に飛び出した、その数分後に戻ってきたツナの手に抱えられていたのは、色とりどりの花菖蒲の花束と、小さな黄色い花の鉢植え。

「これは金糸梅ですね。こちらも注文されたのですか?」

「ふふ、さすが獄寺君。そうだよ、花菖蒲注文した時に日付ごとの誕生花もありますよって言うから、付けてもらったんだ。花言葉は「秘密」だって」

「「秘密」ですか。俺達には無縁の言葉ですね」

「うん」

もう一度ちゅ、とキスを交わすと、獄寺の花をくすぐる花菖蒲の匂い。

「まるで贅沢な花見をしている気分です」

「花見?」

「目に鮮やかな花菖蒲と愛らしい金糸梅の花を抱くこの世に2人といない、俺だけの美しい花。これ以上の贅沢な花見はありません」

「獄寺君・・・」




「あいつら何やってんだ」

「今日、古里の誕生日なのな。獄寺特製のアップルパイ持ってお祝い行くんだと」

「ただイチャ付いてるだけじゃねーか」




リボーンさん正解!(笑)
しかしながらリハビリ感がハンパない(^^;)

炎真HAPPY BIRTHDAY!

2013/06/16(Sun) 21:22 

◆バカップルへ30 題16.年越ソバ 

「10代目、今日の晩ご飯は何がよろしいですか?」

「おそば!」

「そばですか、いいですね」

「去年の大晦日、獄寺君うちにきておそば作ってくれたでしょ?それさっき思い出して、おそば食べたくなった」

「そうでしたね。あの時は、10代目もお手伝いくださいました」

「オレの力が足りなかったから、一緒にコネコネしたよね」

「ええ。あの時はすみません、あなたの一生懸命さにムラムラきてしまって、お母様がいないのをいい事にコトに及んでしまって」

「えへへ、謝らなくていいのに。俺はいつでも大歓迎だよ」

「・・・今日は晩ご飯が少々遅くなるかも知れませんが、よろしいですか・・・?」

「うん・・・」

うっとりと目を細めるツナに、獄寺は恭しくキスをした。



「・・・・・・」

「お?黙ってあれを見てるなんて珍しいのな」

「・・・いや、昔を少し思い出しただけだ」

「昔?」

「ああ。あいつらがまだ出会う前・・・ツナが俺の後ばかりついてきてたガキの頃のな」

どこか笑みすら浮かべているリボーンに、山本は見ていた携帯を閉じて近くに座る。

「年越しそばも、俺と一緒に食べるんだと随分駄々こねたもんだ」

『リボーンいっしょにたべようね。やくそくだよ!』

隣でちゅるちゅると麺をすする姿を見たのは、一昨年が最後。

きっとこれから先、自分がツナの横で年越しそばを食べる事はないだろう。

「兄離れされて寂しいのな?」

「馬鹿言ってんな。山本、あの馬鹿どもに早く飯作れと言っとけ」

カタン、とイスを鳴らして立ち上がり、リボーンはちらりと幸せそうに笑っているツナを見て、部屋へと戻った。

『おれ、リボーンとしかおそば食べないよ!』

『その内そんな事言わなくなるぞ』

「ほらな、言った通りになったじゃねえか」

緩んだ口元が少し寂しげに見えたのは、誰も知らない。




・・・おや?おやおや?
なんだかセンチメンタルリボーンさん。切ないネタになってしまった(゜Д゜)

2013/04/28(Sun) 00:28 

◆バカップルへ30 題15.親友 

ツナには親友が3人いる。

山本、バジル、炎真。

その中でも、バジルはツナの同室者であり獄寺の信頼が一番厚い。

「ねえ獄寺君」

「はい、何でしょう10代目」

ツナに話しかけられて、獄寺は手を止めてツナの隣に座り髪を撫でる。

それにうっかりとうっとりしてしまい、はっと我に返る。

「10代目?どうなさいました?」

「えと、あのね、バジルって俺の親友でしょ?」

「そうですね」

「バジルってね、獄寺君と同じくらい俺を喜ばせるのがうまいんだ。いつでも嬉しい言葉をくれるから、たまにぎゅって抱き締めたくなるんだ」

「抱き締めてやるといいですよ。きっと喜びます」

「いいの?」

「さっきあなたが仰ったように、バジルはあなたの親友。そして俺達の一番の理解者です。だから、いいですよ」

「えへへ、うん!」

にぱっと笑って、ツナはぎゅーっと獄寺に抱きつく。

「おー相変わらずラブってんのな」

「山本殿、お邪魔をしてはいけません。拙者共はあちらで、」

「バジル!」

山本の次に聞こえたバジルの声に気付き、ツナはタタッとバジルに駆け寄る。そして。

「いつも俺に優しくしてくれてありがとう!大好き!」

「え・・・は?」

とっさの事に反応が遅れたが、バジルはツナに言われた言葉を反復して笑顔になった。

「ありがとうございます。拙者も、いつも獄寺殿の事が大好きでたまらない沢田殿が、大好きですよ」

遠慮がちに、キュッとツナを抱き締めた。



「いいのか獄寺、ツナがバジルと浮気してるのな」

「いいんだよ、バジルは10代目の親友だからな」

「俺もツナの親友だぜ?」

「だから何だ」

「バジルがいいなら俺もツナと抱き合っていいだろ?」

「お前は駄目だ」

「何で」




私的に中々難しいお題でした(*_*)
ちなみに山本が駄目なのは、身長差的に複雑な心境になるから(笑)。

2013/04/18(Thu) 21:57 

◆バカップルへ30 題14.筆跡 

ツナには変わった特技がある。

それは獄寺限定で、筆跡を見ただけでそれを書いた時どんな感情だったのかが、分かる事。

「獄寺君、この時何考えてたの?楽しそうだね」

「どれですか?・・・ああ」

ツナが見ているのは、獄寺のスケジュール帳。

PCは得意分野だが、インテリそうな外見に反して意外とアナログな獄寺は、スケジュールは手書きで手帳に書き込んでいる。

ツナが指を指した明日のスケジュールには、「配達業者 10:30」と書いてあって。

それは、獄寺が腕を振るう料理の食材を配達する業者が来る時間。

日付と時間的に、ツナが学校に行っていて会えない時だ。

「この直前にあなたから「今から体育だよー。獄寺君以外の前で服脱ぐのやだー」と、お可愛らしいメールを頂いたので」

「えっそうなの?あ、もしかして書いたの昨日の3時間目の前?」

「はい」

笑顔の獄寺に笑って、ツナは今度は前日のスケジュールの「宅配便 14:00受け取り指定」を指さし。

「じゃあ、どうしてこの時はイライラしてるの?」

「これを書いたのは、3日前の夕方です」

「3日前の夕方・・・あっ!俺が先生に捕まって手伝わされた日だ」

「そうです。あの教師のおかげで、10代目と過ごす時間がちょっと減りました」

「ふふふ、帰ったらぎゅうって抱きついてきて、獄寺君可愛かった」

「いえ、あなたの方が無限大にお可愛らしいです」

「ねえ獄寺君、「あいうえお」て書いてみて」

「ここにですか?」

ツナに体を寄せて、獄寺はスケジュール帳の端に「あいうえお」と書く。

「あはは、楽しそうに弾んでる」

「ええ、あなたと一緒にいますから、楽しいですよ。本当に、あなたには適わない。全部見透かされてしまう・・・」

「俺もだよ。俺だって、獄寺君には何も隠せない・・・」

うっとりと見つめ合う2人がいるのは、談話室。

「僕の筆跡を見ても綱吉君は僕の気持ちが分かるでしょうか」

「分かんねえと思うのな」

「またそんな当てずっぽうを」

「お前いいかげん現実見るのなー」




学校始まった設定(休み短か(笑))
学校にいる時は電話はしません。声をずっと聞いていたくて切りたくなくなるから。
可愛い子達!(*´∀`*)

2013/04/07(Sun) 21:47 

◆バカップルへ30 題13.お昼寝 

暖かな日差し差し込む昼下がり、夕飯のおかずの下拵えをすませ一度自分の部屋に戻る。

ベッドに横たわり、柔らかな日差しを浴びてすよすよと気持ちよさげに昼寝をしている可愛い恋人の栗色の髪にそっと口付けた。

途端に笑顔になったその愛らしい頬を撫でていると、自分も笑顔になる。

「10代目」

起こす気はなく、静かに呼びかけてみる。

「・・・綱吉さん」

名前を呼ぶと、ピクとツナが反応する。

「んんー・・・」

手をパタパタ動かす。

それがなぜか、獄寺には自分を探してくれているように見えて、額にキスをし。

「10代目、こちらですよ」

自分の頬にある獄寺の手に触れようとしているその仕草が可愛くて、触れてくれるまでじっと待った。

触れたら、つかまえた、と小さく唇が動いて。

「ごくでらくん、みっけ・・・」

夢の中で鬼ごっこか隠れんぼでもしているのか、ツナは「つぎはごくでらくんだよ・・・」と呟いて、また深い眠りに落ちる。

「もうしばらくお休みください」

元々起こすつもりで来たわけではなくただ寝顔を堪能したかっただけなので、もう一度頬を撫で髪にキスをして部屋を後にした。

3時になったらおやつを作って、それから起こそう。

今日は珍しく全部活が休みらしく、部活を理由に寮に残った皆もいるしバジルや骸達もいるから、皆食堂に集めよう。

獄寺と2人でいればいつも幸せなツナだけれど(それは獄寺もだけど)、皆と楽しくはしゃぐのも大好きだから。

ツナの大好きな「エンジェルミルフイユ」を作って、甘い香りで起こして差し上げるのもいいと、自然と笑顔になった。



ツナ起きず(笑)。
春休み突入・・・したと思ってください(いつからか分からない)。

2013/03/29(Fri) 22:16 

◆バカップルへ30 題12.線香花火 

学校から戻り、獄寺から熱烈なお帰りなさいの包容を受けながら促されるまま談話室に行くと、テーブルの上にこの季節にはあまり見ないものが置いてあった。

「あれ、線香花火だ。どうしたの?これ」

「物置で捜し物をしていたら見つけました。いつのか分かりませんし、おそらくもう火薬もしけっていて駄目になってるでしょう」

「懐かしい。小さい時これ好きだったな」

「線香花火がですか?」

「うん。音が激しくて明るい火花を散らす花火も好きだけど、俺はこればっかしてたな」

小さな光を放ちながら少しずつ燃えて、少しずつ光の玉を作って。

「火の玉が落ちた時は何かすごく悲しくて、大泣きした時もあったなぁ」

「10代目は、感受性が豊かでいらっしゃるんですね」

「獄寺君はそんな事ないの?」

「手で持ってする花火自体をした事がありません。花火ではしゃぐタイプでもないので、自分でするより見てる方が楽しかったりするんです・・・10代目?」

処分しようと線香花火を手に取ると、ツナがきゅっと袖を掴んだ。

「ね、それしない?」

「火がつくかどうか分かりませんよ?」

「やってみないと分からないよ。俺、獄寺君とやってみたい」

「そうですね。やってみましょうか」

「うんっ。それに、獄寺君が隣にいてくれれば、玉が落ちても悲しくなって泣いたりしないでしょ?」

獄寺が側にいたら、玉が落ちてまた悲しくなっても泣く前に抱きしめてキスしてくれるから。

そしたら、泣かなくてすむから。

「そうですね。俺が泣きそうになっても、10代目がいらっしゃいますから大丈夫ですね?」

「うん」

即答して見上げてたら、キスされた。

ぱちぱちと控えめに火花を散らす光を見ながら、またキスをしよう。




そんな様子に、「あいつら何をだしにしてもイチャつこうとしやがって」とリボーンさんがキレそうになってるといいです(笑)

2013/03/25(Mon) 22:04 

◆バカップルへ30 題11.雨宿り 

獄寺は雨宿りをするのが嫌いだ。

1分1秒でも早くツナに会いたいのに、それが叶わないから。

濡れて帰るくらい訳ないのだが、びしょ濡れの自分を見るとツナに風邪引いちゃうよと心配させてしまうので、それも出来ない。

いやむしろ、雨の予報が出ていたのに晴れているから必要ないと傘を持ってこなかった自分にうんざりする。

「やまねえな・・・」

気怠げに雨空を見上げるその様子はどこか儚げで絵になり、主婦や彼氏連れ構わず見惚れてしまっているけれど、当の獄寺は。

(ああ、10代目あなたが恋しいです・・・早くあなたの笑顔が見たい、体に触れて、その愛らしい唇にキスしたい・・・)

もちろん、ツナの事しか考えていない。

そろそろツナが学校から戻る時間だというのに、雨はやまない。

こりゃ寮に帰るのが遅れるなと、寮で待機している他のスタッフに連絡して傘を持ってこさせようと携帯を取り出して。

ふと顔を上げて、獄寺は笑顔になって携帯をポケットに突っ込んだ。

「獄寺君っ」

そこには、左手に獄寺の傘を持ったツナがいて。

「寮にいたスタッフさんに傘持たずに買い物に出たって聞いて、迎え来たよー」

へへ、と笑ってじゃれついてくるツナの髪についている雫を、そっと拭いてやる。

「ありがとうございます。今、傘を持って来てもらおうとスタッフに電話しようとしていたところなんです」

「もう、俺には夕方雨が降るかもしれないって傘持たせたくせに、自分は持たないんだから」

「はい、すみません」

笑うツナから傘を受け取り、ぽんと開いた。

そしたらなぜかツナは逆に傘を閉じて。

「10代目?」

「相合い傘したい。だめ?」

「だめなわけありません」

可愛いお願いに頬を緩ませて、濡れないようにとそっと肩を抱きしめて歩き出した。

雨宿りも悪くないなと思った、そんなひととき。



本当は雨宿りすると逆ナンされるからそれがうざい、という話にしたかったけど、書いてみたら中々ツナが出てこなかったのでボツにしました(笑)。

2013/03/16(Sat) 22:54 

◆バカップルへ30 題 10.バイト 

「バイトしたいなぁ・・・」

はふ、とため息を付いて呟いたツナに、明日の予習をしていたバジルが振り向く。

「バイトですか。何か欲しい物があるのですか?」

「うん、ちょっとね。親からの仕送りじゃなくて、「自分で稼いだお金」で買いたい物があって」

「もしかして、獄寺殿へのプレゼントですか?去年のお誕生日は手作りのケーキだったから、今年は自分のお金で買った物をプレゼントしたい、とか」

「すごいバジル、どうして分かったの?」

「いえ、ホワイトデーはあさってですし、お付き合い記念日は沢田殿のお誕生日、だとすれば獄寺殿のお誕生日かなと思いまして」

ふわり、と微笑むと、ツナは驚いたままだった顔からほわんと表情を崩して笑う。

「そう、なんだ。でね、短時間でもいいから毎日したいんだ」

「毎日ですか?」

「うん」

「毎日ですと、1日に獄寺殿とお会いできる時間が減りますが、それでも?」

「・・・!」

「沢田殿の思いに水を差すつもりはありませんが、獄寺殿は沢田殿がお側にいてくださるだけで、それだけでいいと思うのです」

「バジル」

はっと口を閉じてツナを見ると、唇を噛みしめて目にはうるうると涙が溜まっている。

「・・・っすいません、拙者としたことが余計な・・・」

「俺っ!バイトなんかしない!獄寺君と会う時間が減るなんて、そんなのやだ!」

叫んでから、ガシッとバジルの手を握って(むしろ掴んで)。

「気付かせてくれてありがとバジル、大好き!」

にこーっと笑って、部屋を飛び出した。

あまりの展開にしばらく呆然とした後、我に返って部屋を出てみると。

「獄寺君、俺どこにも行かないからねっ。黙ってどこかに行ったりしないよ!」

「え、どこか行かれる予定があったのですか?行かれるなら行き先を教えてくださいね、心配しすぎて胃を壊しそうです・・・っ」



ひしっと抱き合う2人がいましたとさ←
このシリーズにおけるバジルとツナのコンビは私的にお気に入りです。

2013/03/12(Tue) 22:45 

◆バカップルへ30 題 09.猛暑 

獄寺特製の蜂蜜入りホットミルクティーを飲んでいたツナが立ち上がり、明日の朝食の下拵えをしている獄寺に近寄り服の裾をきゅっと掴む。

「獄寺君獄寺君」

ついついと服を引っ張られて、獄寺も笑顔で振り向いた。

「はい10代目、どうしました?」

「えへへ、くっつきたいだけー」

「もう少しで終わりますから、もうしばらくこうしててもらっていいですか?」

「邪魔じゃない?」

「まさか!逆に10代目がお側にいてくださらなければ、気が気ではありません」

「そう?じゃあくっついとかなきゃだね。明日の朝ご飯は何?」

「スパニッシュオムレツを考えています。10代目お好みのとろふわに仕上げますね」

「わー、楽しみ!」

「・・・・・・」

「リボーン殿、どうされましたか?」

呆れとも憐れみともつかない顔でそんな2人を見ているリボーンの隣に、バジルが座る。

「いや、今年の夏は例年にない猛暑になりそうだとうんざりしてな」

「まだ春にもなっていないのに分かるのですか?」

「精神的な問題だ」

ちら、と人目もはばからずにイチャ付いている獄寺とツナに目をやると、その視線を追ってバジルは「ああ、」と笑う。

「可愛いじゃないですか。見てて癒されませんか?」

「癒されねえな」

「拙者は見ているだけで幸せな気持ちになります」

「気の持ちようと言うやつなのな」

うめーなこれ、と山本がツナのミルクティーのついでに入れてもらったホットミルクを飲む。

「俺も好きだけどな、イチャ付いてるあいつら見るの」

「俺の味方はむしろ骸だけか。いらねえ味方だな」



出てないのにやっぱり可哀相な骸(笑)。

2013/03/07(Thu) 22:09 

◆バカップルへ30 題 08.甘いもの 

「10代目、本日のおやつです」

「わ、チョコマフィン!ふわふわでおいしそう、いただきまーす」

ワクワク顔で頬張った顔がふにゃりと崩れるのを見て、獄寺が笑みを深くする。

「お口に合いますか?」

「もちろん!んー、今日も絶品」

もふもふと食べながら、ツナは自分が食べるところをにこにこ笑顔で見ている獄寺を見る。

「獄寺君て、いつから甘いもの苦手なの?最初からじゃないでしょ?」

「決定的に嫌いになったのは、8歳の自分の誕生日ですね」

「それってやっぱりビアンキの手作りお菓子?たしかバースデーケーキ、ビアンキの手作りでお腹壊したんだよね」

「はい。でも最近また好きになりつつあります」

「そうなの?」

「はい。・・・とても甘い甘い、お菓子のようなあなたをいただいてますから」

ゴックン。口の中にあったマフィンを、驚きのあまり一気に飲み込んでしまう。

「・・・俺、おいし?」

「ええ、毎回極上です」

カタン、椅子を鳴らして身を乗り出し、獄寺はツナの口の端にキスをする。

「ひゃ、」

「マフィンのかけらがついてました」

ごちそうさまでした、とペロリと唇を舐める仕草にツナの顔はぼっと赤くなり。

「獄寺君、もっかい」

ん、とツナはわざとマフィンのかけらを口の端につけて、目を閉じる。

「食べてほしいんですか?しょうがないお人ですね」

そういいながらも嬉しげに、獄寺はツナの口の端についたマフィンを食べて、「ごちそうになったお礼です」とキスをした。

それを、食堂に来たのに入るに入れない面々が。

「そろそろ本気でシメようと思うが、どうだ」

「激しく賛成します。・・・あああ綱吉君、そんな可愛い顔は僕にだけ見せればいいものを」

「反対ら!巻き添えで俺らまれおやつ禁止になったらたまんねーからな!」

「犬の中ではすでに「邪魔したらおやつ抜きになる」ってルールがあるんだね・・・」



最後のセリフはリボーン→骸→犬→千種。
邪魔したら当然のようにおやつ抜きになります。犬は直感で悟ってるのです。

2013/03/04(Mon) 21:59 

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