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□【9】衝撃
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「というわけで、言いたいのそれだけだから」


白蘭はひらひらと手を振って、空になったマシュマロの袋を未だ手に持ったまま帰って行った。


その背中を見送って、何かを耐えるかのように獄寺が空を仰いで目を閉じると、携帯が着信を知らせた。


「・・・はい」


誰からかも見ずに出ると、それはリボーンで。


『ツナにお前の過去を話したぞ』


「・・・!」


『安心しろ。「核心」は話してない、・・・さすがに信じないだろうからな』


「・・・分かりました、わざわざありがとうございます・・・」


リボーンもおそらく獄寺の様子がおかしい事には気付いただろう。


それでも何も言わなかったのは、白蘭が何を話に来たのかそれを聞いた獄寺がどんな反応をするのか、分かっていたからだろうか。


電話を切って、何も考えずにしばらく放心していると、不意にツナの笑顔が見たくなった。


自分よりだいぶん小さな体で大きな愛情を示してくれる温もりを、腕に抱きしめたくなった。


「・・・また明日、か・・・」


さっきはそう言って分かれた。だけど。


『もしもし?』


本当は声だけ聞くつもりだったのに、会いたくなって。


それを告げると、ツナも嬉しげに承諾してくれた。




ピンポーン。


どこか弾んでいるようなその音に、笑みが漏れる。


誰が来たのか確認する事なく玄関の扉を開けば、そこには、はぁはぁと肩で息をするツナがいてつい軽く吹き出してしまった。


「何でそんなになるまで慌てて来たんだよ」


「隼人、はや、と」


幾度も名前を呼んで。


「好き」


素直に気持ちを伝えてくれて。


泣きそうになって、獄寺はツナに顔を見られないように、強く強くツナを抱きしめた。


「隼人・・・?」


二人きりの空間。


さっきまでとは明らかに様子の変わった獄寺に、ツナが不思議そうに獄寺の名前を呼ぶ。


『あの子は―――ったよ』


『君がこれからどうするかは、君次第って事』


さっきの白蘭の話を思い出す。


「ありがとな、綱吉。俺の事好きになってくれて・・・ありがとう」


『このまま綱吉君を選んだら、あの子はもう―――』


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