時とともに変わらないもの
□16.ただ、祈るだけ。
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『じゃあまた後で・・・いや、明日な』
ジョットさんは謎の言葉を残し、Gは意味ありげににやにや笑いながら、ナックルさんはなんだか悟ったような笑顔で、その姿を消した。
「最後まで意味分かんなかった・・・何なの?」
獄寺君は意味が分かってそうだから振り向いたら、獄寺君はがっくりと脱力していた。
「あれ、獄寺君どうしたの、大丈夫?」
「・・・っ、どわっ!」
ひょいと顔をのぞき込んだら、獄寺君はびっくりするくらいの勢いで飛び退いた。
「何その反応」
顔を近づけるのなんて珍しい事じゃない。
キ、キ、・・・キス、だって、もう数え切れないくらいしてるっていうか獄寺君からされてるのに。
「や、な、何でもない・・・」
明らかに動揺してる獄寺君。
滅多に見ないそんな様子が可愛く見えて、ちょっとからかってみようかななんて、思った俺が馬鹿だった。
「獄寺君?」
「っ、」
再び顔を覗くと、何故か獄寺君は息を飲んで。
「・・・っ、これだから無知で純粋な奴はっ・・・!」
「え?」
視界がグルンと回ったかと思えば、俺の体はベッドのシーツに埋もれていて。
目の前には、天井を背にした獄寺君の顔。
「え、と、ど、したの?」
何か自分がまずい事をしてしまったらしい事は気付いた。
だけど、それでどうしてこの体勢になっているかが分からない。
「あの人達が言ってたのは、こういう意味だよ」
「んうっ・・・!」
聞き返す暇もなかった。
獄寺君は俺に多い被さるようにして俺の体を押さえつけ、さっきみたいな深いキスをしてきた。
「ちょ、っと、獄寺く、待ってっ・・・」
「言葉の意味が知りてえんだろ?だったら教えてやるよ」
「何っ・・・」
獄寺君は、何も言わずに俺にもう一度キスをして。
俺の首筋に、顔を埋めた。
間を置かずに獄寺君の唇が首筋に触れて、そのままきつく吸い上げられる感触がした。
「や、やめ、て、獄寺く、」
「煽ったのはお前だ。責任はとってもらうぞ」