時とともに変わらないもの

□15.黄色の神父様
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恋人の家にお泊まりでどっきどき。


そんなシチュエーション、俺には無縁だと思ってた。


だけど、今それが現実になってる。


「獄寺君、お風呂ありが・・・」


お風呂から上がってリビングに戻る。


扉を開けながらお礼を言おうとした俺の目に飛び込んできたのは、眼鏡をかけて髪を結び、イタリア語の本を読んでいる獄寺君の姿。


ラフな私服も、獄寺君が着ているだけで何だか高級ブランドの服みたいだ(実際に高級ブランドの服かも知れないけど)。


そのままかっこいいなぁと眺めていたら視線に気付いたのか、獄寺君が顔を上げた。


「ああ何だ綱吉、もう上がったのか」


「うん。お先ありがと」


「ありがとうはいいけど、お前髪くらいちゃんと乾かせよ」


ふっと笑って、獄寺君は俺の前に立つと頭に乗せたままのタオルでわしゃわしゃと髪を乾かしてくれる。


うわっ・・・キ、キス、する時と同じくらい近いっ・・・すごくドキドキする。


「ほい完了。ちゃんと乾かしたいなら、ドライヤー貸すぞ?」


「ううん、大丈夫。獄寺君が拭いてくれたから、寝る頃には乾いてるよ」


て言ったら、ちゅってキスして「あんま可愛い事言うなよ」って言った。


俺別に可愛い事なんて言ってないけど。


『男心はどうやら複雑らしいぞ、綱吉』


(もしかしてGも同じような事言ったりしてたんですか?)


『ああ。風呂上がりに濡れた髪のままシャツ一枚でビール飲んでるだけで、お前それ誘ってんのかって襲われた』


「G、ケダモノ・・・」


「は?G?どうしたいきなり」


あ、やばい。口に出しちゃった。


「ごめん、今ねジョットさんと話してたんだ。そしたら、風呂上がりにビール飲んでたら襲われたって」


「ああ、そりゃケダモノだな。・・・・・・Gが反論してる。可愛い事するジョットが悪いとさ」


「ジョットさんも・・・って、ちょっとめんどくさい。2人に直接話させよ?」


「だな」


獄寺君はすっと目を閉じ、しばらくして開いた瞳は赤色で。


俺も目を閉じ、ジョットさんと変わった。


2人がどんな話をしたのかは分からないけど、意識を返してもらったら。


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