時とともに変わらないもの
□9.カエル頭
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アラウディさんから衝撃的な事実を聞いた。
俺と獄寺君のご先祖様、恋人同士だったんだって。
「なあ綱吉」
「ふあっ!?なっ、ななな何、獄寺君!?」
「おま、そんな過剰に動揺すんなよ!俺まで緊張してくんだろ」
「ごめん、だって・・・あまりに意外すぎて」
『・・・・・・!』
あの反応の後。
俺に気付かれた事に気付いたアラウディさんは、それ以上は聞かれたくない事だったのか突然話題を変えた。
『君達の先祖の関係を教えてあげるよ』
と。
授業で、性教育はすでに受けている。
だから、恋人同士だって知って、Gさんとジョットさんが「気にするような事は何もなかった」と主張したその「気にするような事」が何の事なのか、俺も獄寺君もすぐに気付いた。
「でも俺ら子孫がいるって事は、お互い結婚して子供作ったって事だろ」
『そうだね。でも彼らは認めたくはないけどそれは仲のいい2人だった』
「だったらどうして結婚なんて」
『だからこそだよ』
「え?」
『・・・・・・』
獄寺君の言葉に再び答えはせずに、アラウディさんはそれまでずっと黙って(俺の頭を撫でて)いた恭弥兄さんを見下ろした。
『恭弥。疲れたから、僕は寝る』
「ご自由にどうぞ」
アラウディさんは目を閉じると、綺麗な紫色の光の固まりになって恭弥兄さんが胸元にある指輪に入った。
恭弥兄さんがネックレスをしているのは知っていたけど見せてくれた事はないから、きっと大事なものなんだろうと聞かずにいたけどまさか指輪だったなんて。
「恭弥兄さんのは紫色の石だね。形は獄寺君のと同じ・・・あれ?模様が違う」
「石より意味だ綱吉。・・・あんたも何か知ってそうだな」
睨みつけるけど、恭弥兄さんは動じない。
「僕は何も知らないし何も話さないよ。綱吉、もう教室に戻りなよ。授業が始まる」
「う、ん」
俺も気になったけど、恭弥兄さんは俺の頭を撫でていた手を止めて指輪を服の中に隠した。