時とともに変わらないもの
□5.赤い石の指輪
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「雲雀と普通に挨拶出来た?お前すげえな、咬み殺されなかったんだ」
「は?咬み殺・・・?」
「俺なんて、初対面で顔じっと凝視された後急に不機嫌になられて、仕込みトンファーでバキッとやられたのな。あれは参った、あはははは」
「笑い事かそれは。つーか何だよ仕込みトンファーって。綱吉の従兄弟悪く言う訳じゃねえけどよ、校則違反だろそれ」
あれ?
「髪染めてアクセサリー付けてるお前が言う事じゃないのなー」
「母親譲りの地毛だっつの。これもただのアクセサリーじゃなくて・・・って、俺の話より雲雀って奴の話だ、いいのかトンファーって」
「「風紀を取り締まるために必要不可欠」で押し通してるらしい」
「通さすなよ。何やってんだこの学校の教師共は」
あれ?獄寺君、普通に山本と話してる。
「皆何かしら雲雀には借り作ってるらしいからな。下手に口出しは出来ないらしいぜ」
「何だそりゃ」
山本が、獄寺君に見られてるのに気付いて「お前が転校生か」って言った時から、獄寺君の肩の力が抜けたような感じもするし。
「まー、とりあえず群れの中にいたり校舎に被害加えたりしたら咬み殺されっから、それだけ気を付けとけば雲雀の逆鱗に触れる事はあんまりねえからよ」
「群れはともかく校舎は保証出来ねえ。俺は売られた喧嘩は買う派だからな」
話聞いてる分には獄寺君も山本とは初めて会ったみたいだし、やっぱり恭弥兄さんみたいに知ってる人に似てるのかな。
「お前、そんな心構えでほんとよく雲雀に咬み殺されずにすんだな。・・・ツナ、どうした」
「え?」
話を振られてきょとんとする。俺はただ2人の会話を聞いてただけなんだけど。
「さっきから獄寺の事見過ぎなのな。男から見てもかっこいいから眺めたくなるのも分かるけどな」
「そんなんじゃないしっ。・・・ただ、女の子とは話さなくても男とは話すんだなぁって思って」
本当は違うんだけど、感じた事をそのまま話したら獄寺君を困らせてしまうような気がした。
「女苦手なんだよ、俺」
「そうなの?もてるのにもったいない。今もほら、遠巻きに女の子達ずっと見てるよ」