贈呈したもの

□さいしょのプレゼント
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ツナの家には、一ヶ月前からサンタが住んでいる。


ばふっ。


「おはようございます、綱吉さんっ。朝ですよ、起きてくださーい」


「んん・・・」


手をパタパタ伸ばして、つかんだ小さな腕を引き寄せて腕の中に抱き込めば、きらきらの銀髪が目に入った。


「おはようございますっ!」


「ん、おはよー・・・今日も朝から元気だね・・・」


きらきらの銀髪と同じくらい、きらきらした綺麗で大きな緑色の瞳で元気よく挨拶する子供は、絵に描いたようなサンタの格好をしている。


「朝ご飯ですよー。そして今日はクリスマスイブイブです」


「イブイブなんて言葉ないよ、隼人」


少し残っていた眠気も、どこか弾んでいる子供の言葉に吹き飛んで、ツナはふふっと笑った。


「とりあえず下に降りようか。おいで隼人」


「あいっ」


ぽすんとツナに抱きつき、そのままツナが抱き上げた子供の名前は隼人。


本人曰く、「サンタクロース実習生」らしい。


見習いの内は皆子供で人間には見えないらしいけど、人間の中にたった一人だけ自分が見える人間がいて、その人を見つけられたらその年のクリスマスイブにその人と同じくらいの背格好になり、他の人間にも見えるようになるのだと。


そして今日12月23日現在、ツナにしか見えていないからこそ。


「いい?手離すよ、しっかり掴まっててね」


「はい、離しません」


「全く、自分で歩けばこんな心配しなくていいのに」


「綱吉さんとはいつもぴったんこがいいんです」


「はいはい。・・・おはよー母さん」


「あらおはようツっ君、今日もお母さんが行く前に起きたのね」


「んー」


「それはいい事だけど、リビング入ってくる前にぼそぼそ独り言言う癖どうにかならないの?」


「あーごめんごめん、気を付ける」


とこんな風に、気を付けていないとただの怪しい奴になってしまうのだ。


奈々に見つからないように隼人にもご飯を食べさせて、散歩がてら外に出る。


「綱吉さん、今日からお休みですね」


「んー、大掃除とか手伝わされるんだろうけど、とりあえず自由だ!」


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