贈呈したもの
□本日も見目麗しく。
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「え?」
「獄寺君が頼みを断るとはまた珍しい・・・なぜだ?」
10代目と初代様は揃ってお可愛らしく首を傾げる。
その後ろで、Gも珍しいものでも見たかのように目を丸くして俺を見ていた。
「Gの気持ちが分かるからです。・・・誰だって嫌でしょう、愛する人の裸体を、不特定多数の男共の目にさらすなど」
「裸体って・・・全裸じゃあるまいし」
「それでも。素肌のほとんどをさらけ出す事になるんですよ」
「それに俺は今更じゃん。死ぬ気の炎をうまくコントロール出来てなかった頃は、毎回死ぬ気になるたびパンツ一枚になってたんだから」
「あのころも大変魅力的でしたが、よりいっそう艶を増し甘美になったあなたの肌を野獣どもの目に晒すなど、言語道断です」
「言い方がいちいちやらしいし大げさだよ、獄寺君」
「事実です。体育の着替えの時だって、本当は10代目専用の更衣室を用意してほしいくらいなのですから」
「俺みたいな貧相な体つきに見惚れる物好きなんて君くらいだよ」
「貧相などとんでもない。均等のとれた、素晴らしい体です。いつもどんな時でも、俺を魅了してやまない・・・」
「獄寺君・・・」
「ふむなるほど。要は、獄寺君はデーチモの、Gは俺の裸が人目に触れるのが我慢ならないと、そういう訳だな」
腕を伸ばし頬を包み込むと、10代目はうっとりと目を細めてくださって・・・もう少しで唇が重なる、というところで失礼ながらも忘れかけていた存在の声がした。
「しょっ・・・初代様!」
Gだったら容赦なく「邪魔するな」と言いたいところだけど、まさか初代様にそんな事言えるはずもなく。
10代目を見ると、10代目もお忘れになっていたのか愛らしくお顔を真っ赤に染め・・・ってやばい、マジで殺人級にお可愛らしい!
「・・・おい獄寺、話進まねえからいったんこっち戻ってこい、馬鹿」
Gの呆れたような冷静な声で、はっと我に返る。
最後に余計な蛇足が付いたが、今回は正論な為何も文句は言えない。
「G。Gもそうなのか。俺の肌が人目に触れるのが、そんなに嫌か」
ああ、初代様の目が輝いてらっしゃる。
「ああ嫌だね。文句あっか」