時とともに変わらないもの
□9.カエル頭
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「結局何も肝心な話聞けなかったし」
「だね」
色々聞きたい話はあった。
獄寺君が聞きたがってた事もそうだけど、そもそも何でジョットさんはGさんに王位を譲って日本に来たのか。
何で指輪は俺達以外の人間にははめられなかったのか。
Gさんが言った、俺を助けてくれたあの日実体化出来ていた理由のちゃんとした意味も。
そして最大の謎は、なぜ彼らは今指輪の中に入ってしまっているのか。
「Gさんはアラウディさんに聞けって言ったけど、アラウディさん、話してくれなかったね」
「どうでもいいけどよ綱吉。Gが、「俺の名前に「さん」を付けるな」だと」
「へ?」
「これだけは言っとけって頭ん中でうるせー」
「あ・・・うん、分かった・・・」
さっきの、ジョットさんの声が俺にしか聞こえてなかったらしいのと同じかな。
「でも、今Gさ・・・Gは「出て来れない」はずじゃ?」
「姿を見せる事はな。精神は指輪を通じて俺とシンクロしてるから、油断すると意識ごと体乗っ取られる。精神だけの状態で話しかけんのはあんま長く持たねえみたいだから普段はGも大人しいけどな」
「そうなの?じゃあ俺も、ジョットさんと会話出来るのかな?」
恭弥兄さんから、学校で指にしてると目立つからとネックレスのチェーンをもらった。
首にかけたばかりの指輪を服から出してかざすと、仄かにオレンジ色に光った。
『出来ない事はないが、綱吉。俺はずっと眠っていたから、まだあまり無理は出来ない』
「あっ・・・そうですね、すみません」
「あ?何だ急に」
「今の俺の疑問にジョットさんが出来ない事はないって言って・・・そっか、声に出して返事すると独り言になるんだ」
「今のGの言葉はお前向けだったから口に出したけど、中の奴と会話したきゃ思うだけで伝わるから」
「うん分かった。何か色々複雑そうだけど、よかった。事情の分かる人が恭弥兄さんと獄寺君、2人もいて」
安心して笑ったら、なぜか獄寺君は複雑そうな顔をしてた。