贈呈したもの

□いつか君のすべてを
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「内緒話してる風にしか見えませんよ」


獄寺君は、ちゅ、ちゅ、と調子に乗ってキスを続ける。


「ちょっと、ほんとにもう勘弁して」


「嫌です。と言うか無理です。あまりにあなたが可愛すぎるので、火がついてしまいました」


「自己発火しないで!」


「あっはっはっ。お前ら相変わらず仲良しなのな」


「うおっ、野球馬鹿いつの間に」


聞こえたのんきな声は、いつからそこにいたのか山本がいて。


獄寺君の肩にいたはずのリボーンも、山本の肩に移っていた。


「俺が付いてきてるのも途中から忘れてただろお前ら。周りを見ろ」


リボーンの言葉に周りを見れば、道行く人や並中生徒達にちらちらと見られていた。


「だってくっついてた方が暖かいんだもん」


「だもん、じゃねえダメツナ。いい加減その自己発火の元から離れやがれ」


「それはやだ」


「俺もです10代目」


反射的に答えてぎゅっと握る手の力を強くしたら、獄寺君もすごく嬉しそうに笑って俺の手を強く握り返してきてくれた。


ああ、やっぱり好きだなぁこの笑顔。


俺しか知らない顔もたくさんある。


俺が知らない顔も、多分まだたくさんあるだろう。


でも、これからの長い時間の中で絶対全部知ってやるんだ。


俺の表情一つで言いたい事を分かってくれる、俺の事を知り尽くしてる獄寺君のように。


「獄寺君、俺負けないから」


「お言葉ですが10代目、俺あなたに勝った事など一度もありませんが」


「だって何か色々悔しい」


「俺も色々悔しいですよ。あなたの笑顔を独り占めしたいのに、あなたはいつもその笑顔を惜しみなく誰にでもお見せになりますから」








「あいつらまた俺達の存在頭の中から消しやがったな。しかも論点が馬鹿馬鹿しすぎて、もうツッコむ気も起きねえ」


「そうか?慣れると案外楽しいぞ」


「お前は平気なのか、アレ」


「まーな。昼飯の後はほぼ毎回ツナが獄寺の膝枕で寝てんの見てるからなー」


「タフだな山本。俺はもう関わりたくねぇ」



終わり!



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