5927(短)

□からかうのも程々に
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「そうだ、獄寺君のご飯!ごめん、今用意するね」


「本当に、申し訳ありません。何から何まで」


「ううん。すぐ用意するから、寝て待ってて」


フローリングの床に、ツナの足音だけが響く。


「お粥なんだけど、母さんの見よう見真似だからおいしいかどうか分からないよ」


「10代目がお作りになったものが、俺の口に合わないはずありません」


まだ少しくらくらしてる頭を起こして、そっとベッドから降りる。


そして、無防備な背中を後ろから抱きしめた。


「獄寺く・・・」


「10代目・・・」


首元にかかる熱い息に、ツナの体がゾクリと震える。


「あ、の・・・獄寺、君・・・」


「10代目の体、すげー温かいです」


「・・・どうせ子供体温だよ・・・」


「拗ねないでください。ぽかぽかしてて、気持ちいいですよ」


獄寺はツナを抱きしめる腕を強くして、後ろから頬にキスを落とした。


「もう、お粥の用意出来たから!ほら早くベッドに戻ってっ」


顔は後ろを向かないけれど、耳や首の後ろまで真っ赤になっている。どうやら恥ずかしすぎて早く離れてもらいたいらしい。


(相変わらず、可愛らしい反応だ)


どうしようもなく愛しくなって、目を細めて微笑むとはいと返事して先にベッドに戻る。


ベッドに戻ると、それが気配で分かったらしく赤いだろう顔を沈める為なのかパタパタと両手で仰いでいた。


ツナに気付かれないように、少しだけ笑った。




とても贅沢な時間を過ごしていると思う。


イタリアの家を出てからはずっと一人で生きてきた。


病気の時に誰かが側にいてくれた記憶なんて、もう思い出せない。


そして今側にいてくれるのは自分が敬愛する存在であり、一人の人間として愛しそして一人の男として受け入れてくれた人。


「お待たせ」


持ってきてくれたお粥は卵粥で、おいしそうな香りを漂わせ空腹を誘った。


「いただきます」


一口食べるとふわりと口に広がる優しい味。


「どう?お世辞抜きで感想聞かせて?」


「とてもおいしいですよ、本当に」


笑顔で頬張ると、「よかったぁ」と嬉しそうに綻んだその笑顔を生涯守ろうと、改めて心に誓った。



終わり!



思ってたよりGプリとのシーンが長くなりました(笑)。



→おまけ
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