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□からかうのも程々に
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「あいつなら家で寝てる。風邪引いて熱もあって頭痛もしてふらふらなのに行こうとするから、俺が代わりに行く事になった。今はジョットが看病してるから心配すんな」
「プリーモに何させてるんですかあなた」
「俺は何も言ってない。這ってまでデーチモのところに行こうとする獄寺を見て、看病は自分がするから俺に獄寺の代わりに行けと言ったのはジョットだ」
「何でプリーモが・・・Gさんがすればいいじゃないですか」
「獄寺が「俺は10代目の右腕だ、たとえ学校に行くでも10代目が外出される時は必ずお側にいなければ」つーから。しかもジョットの奴、一番安心出来る姿のがいいだろうと言ってわざわざデーチモに姿変えてまで看病してるみたいだぞ」
「え、俺に!?」
「安心しろって、いくらジョットでも病人食ったりはしねえから」
「食うって何!?」
「ああでも、デーチモと間違えて獄寺が襲ってきたりしたらジョットは逃げずに受け入れるかもな」
「・・・!」
赤くなったり青くなったりするツナを見て、Gは壁により掛かっておもしろそうに見ている。
「と言うか、何でプリーモが獄寺君のところにいるんですか。リングに宿った意識なら、ここにいるはずなんじゃ・・・」
ツナは、自分の指にはめられているリングを見る。
「呼びかけたら来るかなと試しに呼んでみたら来た、ただそれだけの話だ」
「何て言うか、色々混乱しちゃってとりあえず一度Gさんを殴りたい。・・・ああでも獄寺君にちょっと似てるから殴りたくないんだけどなぁ」
「心ん中全部声に出してるぞデーチモ。しかも俺の名前にさんを付けるなら言い方気を付けろ、下手すると「爺さん」に聞こえる」
「ボンゴレの祖先なんだから間違いではないじゃないですかっ」
(ちょっと苛めすぎたか)
ふ、と笑って、Gはツナの頭にぽんぽんと手を置いた。
「容態が心配だろ。このまま獄寺の看病に乗じて一緒に帰るか?」
そんな言葉に、混乱しすぎて泣きかけていたツナがコクンと頷いた。
「・・・でも、何であなたまで風邪引いた振りしたんですか?」
「だから、リアリティの追求だって。声で気付かれたら台無しだからな」
「・・・・・・」
一気に疲労感に襲われたツナだった。