貰い物

□日常を楽しもう
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『いーちゃん、happyバレンタイン!!』

「………ハッピーのとこだけ異様に発音いいね、時雨」



俺の彼女である時雨は昔からの幼馴染み。

つまり俺みたいに普通の人じゃない訳で。
どこが普通じゃないかって言うと…………



『………ごめんいーちゃん。久し振りに呼吸したくなったから一度新宿から離れるね』

「………うん、分かったよ。ここで暴れられたら確かに困るしね」



そう、俺の彼女は殺人鬼なのだ。


時雨には本名とは別に零崎名、つまり殺人鬼時の名前がある。

「零崎光織(ゼロザキコウシキ)」
零崎一賊の長兄である双織兄さんが名付けてくれた、と時雨はよく俺に語ってくる。
名前の由来は、零崎一賊の紅一点になってくれる事を願って、だそうだ。

元々零崎一賊には女性がいないらしく、女の殺人鬼は珍しいとのこと。
よっぽど時雨が零崎に覚醒して仲間入りした事が嬉しかったのだろう。


さてと、時雨も京都に行っちゃって、暫く暇だし…………どうしようかな。

池袋に行ってシズちゃんを虐める?
それとも帝人くんに電話して何か面白いネタを掴んだり?

…………どれも楽しくないや。



「…………時雨、早く帰ってきてよ。俺は時雨がいないと………」

















『………いーちゃん……?』


おっかしーな、今確かにいーちゃんの声が聴こえたような?
………いーちゃん違い?


ま、取り敢えず十二分に呼吸もさせてもらったし、感謝感謝です!!

よしっ、久し振りに新宿に帰るとするかな。
いや、やっぱり最初に池袋へ寄ってシズちゃんや新羅ちゃんに会ってからにしよっと。


…………前みたいにまた4人で遊びたいんだけど、いーちゃんとシズちゃんは仲が悪いからな。
いや、アレは一方的にいーちゃんが悪いんだろうな、うん。


よしっ、うだうだ考えてる暇があるなら実行あるのみさ!!
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