貰い物

□サプライズ
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今日は僕の誕生日。
だけど雅治は僕の誕生日をまるで忘れているかの様にちっともそんな素振りを見せてくれない。
もう放課後だっていうのにさ………


『雅治。今日が何日か分かってる?』

「1月25日ナリ。何か用でもあったかの?」


何で覚えてないのかな!?
大事な恋人の誕生日ぐらい覚えておこうよ!!


「あ、そうじゃ時雨。今から俺の家に来んか?」

『雅治の家に?別にいいけど………』


この様子じゃ何か隠してるのかな?
サプライズ?
でもどうなんだろ。
分かんないな。
雅治の異名は「詐欺師」だから。
まぁ……<コート上の>、だけどさ。

とか考えていたらいつの間にか着いてるし………
着くの早いなコンニャロー!!


「何で百面相なんかしてるんじゃ」

『………あぁ、ごめんごめん。完璧意識飛ばしてたわ』


うっわ、恥ずかしい………
僕って表に感情が出ないタイプだと思ってたんだけどな。
だから昔よく虐められてたんだろうけど。
っと、それはともかく今は雅治の家に上がる事が先決だよね。


『お邪魔します』

「いらっしゃいませ?」

『………何故疑問系……?』


それにいつもだったら雅治のお姉さんとか弟さんが僕に飛び付いて来るのに………
って事は出掛けてたり?
雅治の両親もいないみたいだし………
じゃあ今日は雅治と2人っきり!?


『ねぇ雅治。家に僕ら以外の気配がないんだけど………』

気配って何じゃ、気配って


そこは気にしないでおこうよ。


「旅行中じゃよ、俺を置いて」

『………そか』


何だろ。
一つの疑問が解決したのにこの気持ち。
やっぱり雅治に誕生日を祝ってもらってないからこんなに寂しい気持ちになってるのかな?
泣きたいよ。喚きたいよ。
でもこんな所でそんな事しちゃいけないよね。


「時雨、ハッピーバースデイじゃ!!」

『………はい?』


え?シリアスな雰囲気ぶち壊して今更!?
いや、嬉しいよ?嬉しいけどもさ!!
何で今更!?


『雅治……僕の誕生日なんて忘れてたんじゃ………』

「時雨の誕生日を忘れるなんて俺がすると思うか?」

『………ない、と思ってはいたけど。でも放課後になっても「おめでとう」の一言もなかったから……』

「それはすまんかったのぅ」


雅治も謝ってくれたし、もう許してあげよう。
それにしても………


『ねぇ、何で祝ってくれなかったの?いつでも言えるチャンス合ったでしょ?』

「2人きりで言いたかったんじゃよ。誰にも邪魔されない所でのぅ」

『そう………ん、じゃあ取り敢えず誕生日プレゼントくれるんでしょ?』


僕をこれだけ我慢させたんだ。
勿論誕生日プレゼントは特別嬉しい物を用意してるんだよね?


「勿論じゃ。誕生日プレゼントは………」


続きは皆さんのご想像にお任せするよ!!
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