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□本当のキス
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「ねぇー、優ちゃん?」
「…」
ソファに座ったまま呼び掛けてみたけど、反応なし。
はぁー…もう、しょうがないなぁ。
ソファから立ち上がり、ゆっくりとベッドに歩み寄って、優ちゃんの側に座る。
優ちゃんはあたしにちらっと視線だけ向けたけど、その視線もすぐに膝へと戻る。
「優ちゃん?」
「…何?」
「何でそんなにぶすってしてんの?」
「―…ちゅーしてた」
「えっ?」
「…最後、廉さんとちゅーしてた」
「…あぁ、そんなことで不機嫌になってたのぉ?」
「そんなことじゃないよっ!」
バッと顔を上げた優ちゃんは、ショックを受けたような顔をしていて。
「こじぱが男の人とちゅーなんてっ…ん!!」
このままじゃもっとヒートアップして、止まらなくなりそうな優ちゃんの言葉を遮って、キスをした。
優ちゃんを落ち着かせるように、少し長めのキス。
そして、ゆっくりと唇を離せば、びっくりして目を丸くした優ちゃんの顔。
こ、こじぱが…
なんて、あわあわしながら呟いてる。
あたしからちゅーするのってそんなに珍しかったかな?
まあ、いっか…