Book

□本当のキス
2ページ/3ページ






「ねぇー、優ちゃん?」


「…」


ソファに座ったまま呼び掛けてみたけど、反応なし。


はぁー…もう、しょうがないなぁ。



ソファから立ち上がり、ゆっくりとベッドに歩み寄って、優ちゃんの側に座る。

優ちゃんはあたしにちらっと視線だけ向けたけど、その視線もすぐに膝へと戻る。





「優ちゃん?」


「…何?」


「何でそんなにぶすってしてんの?」





「―…ちゅーしてた」


「えっ?」


「…最後、廉さんとちゅーしてた」


「…あぁ、そんなことで不機嫌になってたのぉ?」


「そんなことじゃないよっ!」

バッと顔を上げた優ちゃんは、ショックを受けたような顔をしていて。





「こじぱが男の人とちゅーなんてっ…ん!!」



このままじゃもっとヒートアップして、止まらなくなりそうな優ちゃんの言葉を遮って、キスをした。


優ちゃんを落ち着かせるように、少し長めのキス。



そして、ゆっくりと唇を離せば、びっくりして目を丸くした優ちゃんの顔。


こ、こじぱが…
なんて、あわあわしながら呟いてる。



あたしからちゅーするのってそんなに珍しかったかな?

まあ、いっか…
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ